2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340020
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
新井 敏康 Chiba University, 大学院・理学研究科, 教授 (40193049)
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Keywords | 数学基礎論 |
Research Abstract |
帰納的マーロ作用素の繰り返しによって反映的順序数の集合論の証明論的強さが近似できることを示した。証明は、証明論的な手法(カット消去)と自分でつくった証明論的順序数の体系の整礎性の当該の集合論内部での実行による。例えば弱コンパクト基数の帰納的な類似物であるところの$\Pi_{3}$-反映的順序数の集合論を帰納的マーロ作用素の繰り返しで近似するには自然数上の$\Sigma_{1}$で定義される整礎的関係に沿って帰納的マーロ作用素を繰り返すことが必要かつ十分である。また、$\Pi_{4}$-反映的順序数については、帰納的マーロ作用素を繰り返すべき順序は自然数上のふたつの整礎的順序によって定まるベキの順序になる。このベキを取る回数及び自然数上の整礎的順序の個数が$\Pi_{2+n}$-反映的順序数なら$n$個必要になる。こうして反映的順序数の集合論を証明論的に帰納的マーロ作用素の繰り返しで近似するには、1階の自然数論の証明論において順序数構造$\varepsilon_{0}$が現れた(G.Gentzen)ように、同様のベキの繰り返し構造が出現することを突き止めた。 さらに直観主義論理に基づくある自然数上の不動点に関する公理系がある範囲の論理式に関して直観主義算術の保存拡大であることを、G.Mintsによるカット消去の本質が整礎的木のKleene-Brouwer順序に沿って行われることを用いて示した。 また証明論的順序数が分かっている公理系に関して、そこで$\Delta^{0}_{2}$であることが証明できるのは、その集合がErshov階層の証明論的順序数以下のレヴェルに属す事が証明できることと同等であることを示した。
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