2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾畑 伸明 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10169360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
浦川 肇 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50022679)
鈴木 香奈子 東北大学, 国際高等研究教育機構, 助教 (10451519)
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Keywords | 量子確率論 / ホワイトノイズ解析 / 無限次元解析 / 複雑ネットワーク / 直交多項式 / 確率解析 / フーリエ・ガウス変換 / 量子中心極限定理 |
Research Abstract |
古典的な伊藤解析が無限次元確率解析として発展しているように、量子伊藤解析に超関数の手法を導入した量子ホワイトノイズ解析は非可換無限次元解析の一つの流れを作っている。本研究では、量子ホワイトノイズ解析の深化を図るとともに、古典確率論では扱いにくい特異ノイズを含む確率モデルや複雑ネットワークへの応用も視野に入れている。研究実施において掲げた次の3項目について成果を述べる。(1)量子ホワイトノイズ方程式 : 超関数の意味で存在が保証されている解について、(非有界)作用素として働く適当なヒルベルト空間を構成することが重要な問題である。特に、部分ユニタリ性について、Ayed、Ouerdianeらとの共同研究が進展した。さらに, Jiとともに、長年の懸案であったボゴリューボブ変換やギルサノフ変換の拡張についてフーリエ・ガウス変換を用いた統一的扱いに道筋がつき、共同論文を準備するに至った。(2)非ガウス型量子確率過程 : 具体的な多変数直交多項式に関する文献調査を行うとともに、鈴木とともに生物モデルに現れる古典確率過程への応用のための準備をした。日合は自由エントロピー理論における成果を上げ、独立増分過程の議論に大きな示唆を与えた。(3)成長グラフの漸近的スペクトル解析 : 独立性の諸概念とグラフの構造の関連を隣接行列の分解の観点から検討し、付随する量子中心極限定理を通して、スペクトルの漸近形を求めた。グラフのQ-行列の正値性について、グラフ積を統一的に扱う新しい視点を導入し、ボゼイコの定理の簡略化された別証明を与えた。浦川によるラプラシアンのスペクトル解析の成果から、離散グラフへのアプローチの可能性を探った。上記の研究項目に関連して、内外の研究者を招聘して、第8回仙台ワークショップを11月に開催した。また、関連する研究集会で成果を発表した。
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Research Products
(28 results)