2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340032
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣島 文生 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (00330358)
|
Keywords | 場の量子論 / 無限次元解析 / 散乱理論 / スペクトル解析 / 汎関数積分 / 基底状態 / 1パラメター半群 / レヴィー過程 |
Research Abstract |
交付申請書の研究実施誹画には次の1)-4)を掲げた。 1)Rough-Path理論による確率2重積分の解析,2)平行移動不変Nelson模型の解析 3)相対論的PF模型の汎関数積分表示,4)SB模型の解析。 以下で番号順に実績を報告する。 1)結合定数が十分に小さいときには解析が進んだ。現在一般の結合定数への拡張をJ.Lorinczi氏と試みている。 2)汎関数積文表示を得ることはできた。これを使って全運動量がゼロのときの基底状態の存在証明を与えた。 3)相対論的はPF模型の解析は大きく進展した。確率解析におけるSubordinatorの概念を使えば,相対論的なPF模型を含む,かなり一般的な模型まで汎関数積分表示できることに気づいた。これを用いて,基底状態の一意性,半群のhypercontractivity,双極不等式などを証明することができた。現在有限自由度の場合をF,Hiroshima,T.Ichinose,J.Lorincziの共同研究で論文Path integral representation for generalized Schrodiinger operator through Bernstein functions of the Laplacianにまとめ,国際誌へ投稿中である。 4)レヴィー過程をもちいてSB模型の汎関数積分表示を与え,基底状態の一意性を示せた。ただ,測度のタイトネスの証明に現在もギャップがあり,これを示すことがこれからの課題である。 以上の研究過程の中でshort range変数質量をもったNelson模型の基底状態の赤外特異性による非存在を示す事が出来た。これは従来知られた方法では解析できなかったものであるが,汎関数積分表示により見事に解決することが出来た。これはC.Gerard,F.Hiroshima,A.Panatti and A.Suzukiとの共同研究として論文Nelson model with variableとしてまとめ,現在国際誌へ投稿中である。
|
Research Products
(14 results)