2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形偏微分方程式に現れる界面運動と爆発現象の研究
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20340033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
俣野 博 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40126165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 建一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (40293120)
G・S Weiss 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30282817)
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Keywords | 非線形現象 / 非線形偏微分方程式 / 爆発現象 / 進行波 / 均質化極限 / 界面運動 |
Research Abstract |
1。非線形熱方程式の解の爆発 俣野は,ベキ型の非線形項をもつ熱方程式における球対称解の爆発現象を考察した.ベキがソボレフの臨界指数よりも大きい(supercritical)場合,タイプ1とタイプIIという2種類の爆発が起こりうるが,それらの特徴付けを精密に行うとともに,爆発後の解の延長可能性についても既存の結果を大幅に改良することに成功した(文献1)。 2.障害物にぶつかる拡散進行波 空間多次元のAllen-Cahn型拡散方程式には平面波と呼ばれる平坦な波面をもつ進行波が存在する.俣野は,この平面波が有限の大きさの障害物にぶつかったときに何が起こるかを解明した.最終的に平面波の波面は全空間で一様に平坦さを取り戻すことを示したが,障害物の形状によって平坦さの回復の仕方が微妙に異なることも明らかにした(文献2). 3.空間1次元拡散方程式の解の漸近挙動 空間領域が有限区間の場合,1次元拡散方程式の解が必ず定常解に収束することは以前から知られていたが,空間領域が無限区間Rの場合には未解明の点が多かった.俣野は,この場合の解の漸近挙動を詳しく研究した(文献3). 4.進行波の均質化極限 中村は,不均質環境における侵入生物の空間伝播を記述する拡張フィッシャー方程式に均質化法のアイデアを適用し,環境変動のスケールを0に近づけた均質化極限における進行波解の伝播速度を与える式が従来よりも平易な方法で得られることを示した.
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Research Products
(4 results)