2011 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙初期から現在にいたる星間塵供給源としての超新星の役割の解明
Project/Area Number |
20340038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笹 隆司 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90263368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽部 朝男 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90180926)
梅田 秀之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60447357)
野沢 貴也 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 専任研究員 (90435975)
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Keywords | 超新星 / 元素合成 / ダスト / 星間塵 / 星間塵 / 銀河形成進化 |
Research Abstract |
(1)星間塵供給源としての超新星の役割 Ia型超新星でのダスト形成と進化計算により、Ia型超新星はダストの供給源にならないことを明らかにした。ハーシェル望遠鏡での観測により超新星1987Aでは形成された大量(0.4-0.7太陽質量)の低温ダストが存在することを明らかにした。超新星で形成されたダストによる減光曲線が赤方変移z~1の若い赤外線銀河の観測結果をよく再現することを示した。以上の結果は、従来の観測結果に反して重力崩壊型超新星でのダスト形成量は我々が構築して来たモデルで再現可能であること、および若い銀河では超新星が主要なダスト供給源であることを示唆する。また、我々の銀河の炭素質星間塵の主要な供給源と考えられている炭素過多漸近巨星分枝星のダスト形成モデルを構築し、SiCダストの形成過程を論じた。 (2)大質量星の進化過程と超新星爆発 超新星爆発時での元素合成計算を更新し、銀河の化学進化に応用しこれまで考慮されていなかった元素の同位体やフッ素は、観測結果と比較することにより宇宙での星形成史を明らかにする道具として役立つことを示した。種族IIIの巨大質量の振動不安定を論じ質量放出量を見積もった。更に回転を考慮した大質量星の進化コードを構築し重力崩壊型超新星となる下限質量近くの星の進化を論じた。 (3)ダストと銀河形成・進化への効果 超新星でのダストの形成・破壊、星間空間でのダストの破壊、ダスト表面上での水素分子形成を取り入れた銀河形成進化モデルを完成させ、破壊によるサイズ分布の進化が銀河の星形成活動に大きな影響を持つことを明らかにした。更に構築された形成進化モデルに基づき初期銀河での星形成活動と宇宙再電離時期の関係を論じた。 以上の成果は国内外の学会・研究会で発表され、その大部分は学術雑誌に掲載された。
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Research Products
(40 results)