2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代赤外線高分散分光器の開発と高赤方偏移ガンマ線バーストによる宇宙再電離の研究
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20340042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 尚人 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (50280566)
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Keywords | 宇宙再電離 / 銀河間物質 / 低金属量 / ガンマ線バースト / 近赤外線 / 高分散分光 / イマージョングレーティング |
Research Abstract |
本研究は、次世代の高感度な近赤外高分散分光器(WINERED)を観測用に完成させ、実際に小中口径の望遠鏡に取りつけてSwift/GLAST/GBMのガンマ線バーストのフォローアップ観測の体制を構築することを目標としている。WINEREDの最大の特徴は、目標とするサイエンス(高赤方偏移の銀河間物質の吸収線分光)に必要な波長域(0.9-1.4ミクロン)に特化した高感度な高分散分光器を、非冷却でコンパクト兼可搬性のある安価な光学系で実現することにある。 2年度は、まず検出器とカメラ光学系を収める冷却クライオスタットの設計を終え、その製作をすすめた。最初に試験的に使用するHawaiiI検出器の仕様検討をすすめ、読み出し回路の設計を行った。最終的に使用するHawaii2検出器について製作会社のTeledyneと綿密な打ち合わせを行い次年度(第3年度)の購入に向けて検討を終えた。良好なスペクトル像を得るためにキーとなるカメラ光学系については、干渉計等によるレンズの詳細な評価を行い、所定性能が出ていることを確認した。その結果をもとにレンズマウントシステムを製作し、完成した。最終的な波長分解能(10万)を得るためのキーコンポーネントとなるイマージョングレーティングの試験品の製作を米国ローレンスリバモア研究所と共同ですすめ、試験プリズムへの溝加工を終了した。これをもとに最終版への検討をすすめ、投稿論文として発表した(Ikeda et al.2009)。また、次年度に予定しているファーストライトに京都産業大学の新望遠鏡を使用することを決定し、そのための設置や配置等について詳細な検討をすすめた。その観測オペレーション時に必要となる周辺光学系について検討をすすめ、スリット交換機構・波長較正用光源出し入れ機構・スリットビューワーの3つの駆動機構の光学設計および関連部品の購入を昨年度に引き続きすすめた。
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Research Products
(7 results)