2008 Fiscal Year Annual Research Report
GeVガンマ線観測を機軸としたブラックホール天体のジェット放出機構の研究
Project/Area Number |
20340044
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
深沢 泰司 Hiroshima University, 理学研究科, 教授 (60272457)
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Keywords | 宇宙ガンマ線 / 宇宙ジェット / 巨大質量プラックホール / 多波長観測 |
Research Abstract |
本研究は、我々が開発に大きく貢献してきたGeVガンマ線観測衛星GLASTを機軸に、ブラックホール天体から放出される超高速プラズマ流であるジェットかわの多波長電磁放射のスペクトルと時間変動を精度良く測定し,ジェットの内部情報(構造,成分)を引き出してジェットの加速機構に制限をつけるとともに,ブラックホールの進化や質量とジェット放出の関係を明らかにすることを目標てする.GLASTとともに、可視光・X線・軟ガンマ線の連携モニター観測を我々自身で行うことにより、これまで例を見ない長期間の多波長データを得てジェット放出機構に迫ることが特徴である。GLASTは、2008年6月に無事打ちあがり、観測を開始し、Fermiガンマ線宇宙望遠鏡と名付けられた。3か月で有意度の高い天体を既に205個検出しており、前衛星の数年間の成果を既に上回っている。このうちの半数が巨大ブラックホールからのジェット放射である。我々は、これらの天体のガンマ線のライトカーブをモニターするために、一定の明るさの天体について解析を行って、ライトカーブの系統誤差を評価した。また、解析方法の最適化も研究を重ねている。同時に、数時間で劇的に明るくなる天体のモニターをチームで24時間体制で行い、いくつかの明るい天体のフレアについて、多波長観測のお呼びかけを行い、フレアの多波長観測に成功した。我々は、広島大学かなた望遠鏡を用いて、ガンマ線で明るいジェット天体20個前後を可視光近赤外線でモニターし、明るさと偏光の情報を得つつある。ガンマ線と可視多色偏光での長期間同時モニターは、これまでにないことであり、放射がどのように変化しているか様子がわかりつつある。また、将来検出器の開発を見越して、本年度は両面シリコンストリップセンサーの基礎特性を実験実験を行い、Geant4シミュレーションの基礎データを得た。
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Research Products
(4 results)