2010 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアVLBI観測網を目指した山口32m電波望遠鏡の22GHz化
Project/Area Number |
20340045
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤澤 健太 山口大学, 時間学研究所, 教授 (70311181)
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Keywords | 電波天文学 / 受信機 / VLBI / メーザ |
Research Abstract |
本研究では、大学VLBI連携観測の拠点である山口32mに22GHzの受信システムを搭載して大学VLBI連携の研究能力を高め、さらに東アジア観測網という大きな枠組みへ研究を展開することを目標とする。 平成22年度には、22GHz受信機を完成させ、山口32mに搭載し、試験観測および観測システムとしての性能評価を行うこと、科学的研究に着手すること、研究成果の報告と今後の計画について、研究集会を開催することを予定していた。 残念ながら、受信機の製作が多少遅れてしまい、平成22年度中に受信機を山口32m電波望遠鏡に搭載、試験を行うことはできなかった。受信機の性能を高めるために給電部に改造を行ったこと、受信機設置を容易にするよう設置方法に変更を加えたこと、が遅延の原因である。どちらも性能を高めるための措置であり、やむを得ないと考えている。 受信機・給電部の改造は、給電用ホーン位置を高めて水滴の付着(雑音上昇の原因となる)を避けた、また校正用雑音信号の注入口を設けたことである。これらの改良を行った受信機は現在鋭意製作中であり、平成23年6月には単体として完成する予定である。電波望遠鏡への設置は11月を予定している。当初の予定から約1年遅れで計画が進行している。 一方、22GHzの観測を中心とした研究のあり方を議論する研究集会は、『大学VLBI連携・東アジアVLBI観測網の22GHz観測』と題して予定通り実施した。開催日は2010年11月12日、場所は山口大学である。発表は日本全国、また中国の上海天文台から16件、参加者は約30人であり、小規模な研究会ながら密度の高い議論を行うことができた。内容は観測システムに関するもの、また科学的な研究の成果報告、および観測の提案である。まとめとして大学VLBI連携観測・東アジア観測網を今後どのように利用することでより良い研究成果が得られるか、参加者全員で議論を行った。
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Research Products
(7 results)