2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米谷 民明 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10091521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60144317)
加藤 光裕 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80185876)
大川 裕司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (10466823)
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Keywords | 超弦理論 / 量子重力 / ゲージ重力対応 / 統一理論 / 超対称性 / AdS / CFT対応 / Dブレーン / 弦の場の理論 |
Research Abstract |
(1)米谷は、Dブレーンの場の理論の構築というこれまで全く試みられたことがない新たなアプローチへ向けた研究を前年度に引き続き進めた.今年度は,11次元M理論としての解釈へ向けた考察を深め,11次元の光円錐量子論の立場からDブレーン場のシュレジンガー方程式を定式化した.また,M理論の基本的自由度であるM2ブレーン多体系の低エネルギー極限に記述するとされるABJM模型の10次元基本弦への次元縮役機構について研究を進め,平行多体弦系を記述する2次元ゲージ理論を導いた.これについては現在論文を準備中である.(2)風間は、ゲージ/弦対応の理解に不可欠であるにも拘わらず発展が遅れているラモン・ラモン場を含む曲がった時空中の超弦理論の研究を行った。この種の問題のプロトタイプである平面波背景場中の超弦理論をグリーン・シュワルツ形式で共形不変性を保ったまま量子化する方法を開発し、量子化されたヴィラソロ代数を構成することに成功した。さらに、系の持つ対称性代数の生成子の量子的な構成、および物理的状態に対応する頂点関数の構成の研究を進めた。(3)加藤は、大阪府大の浅野氏とともに弦の場の理論において、場について線形な最も一般なゲージ固定条件のもとで、すべてのゴースト数に渡って無矛盾なゲージ固定の仕方を提案し、ファイマン則の導出、物理的振幅のゲージ不変性等を示した。また、坂本氏(神戸大)、宗氏(愛媛大)とともに、格子上の積と差分について極めて一般な揚合にライプニッツ則を解析し、無限フレーバーを導入しない限り局所性と両立し得ないことを証明した。(4)大川は、米国マサチューセッツ工科大学のKiermaier,Zwiebachとの共同研究で、開弦の場の理論の解から境界を持つ共形場の理論の境界状態をBRST-exactな項の不定性を除いて再現すると考えられる閉弦状態を構成することに成功し、arXiv:0810.1737として発表した。そして知られている解析解に対してその閉弦状態を解析的に計算し、対応する境界状態を完全に再現することを示した。これは開弦の場の理論の解から境界を持つ共形場の理論の境界状態のすべての情報を引き出した最初の例である。
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Research Products
(11 results)