2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340048
|
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
米谷 民明 放送大学, 教養学部, 教授 (10091521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60144317)
加藤 光祐 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80185876)
大川 祐司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (10466823)
奥田 拓也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (90595646)
|
Keywords | 超弦理論 / 量子重力 / ゲージ重力対応 / 統一理論 / 超対称性 / AdS/CFT対応 / Dブレーン / 弦の場の理論 |
Research Abstract |
米谷は、前年度に引き続き0+1次元超対称Yang-Mills理論の2点相関関数のゲージ重力対応からの予言を、モンテカルロ数値実験によって検証する研究を、共同研究者とともに行った。第1報をPhys. Rev. Lett. 誌に発表した後、さらに詳細な検討を進めて予言の正しさを確かめた。現在、本論文を準備中である。また、Dブレーンの場の理論に関するこれまでの研究を含めて、弦場の理論に関する総合的考察を進めた。風間は横井と共に、超弦理論のGreen-Schwarz形式における共形不変性を保ったオペレーター量子化の系統的な研究を行った。特に、これまで明らかにされていなかった超ポアンカレ代数の量子的な実現とそれに基づく頂点作用素の構成に初めて成功した。また、島田と共にN=4超対称ヤン・ミルズ理論において超対称代数のoff-shell closureを実現する新しい方法についての研究を進展させた。加藤は、ある種のホログラフィを解析する中で現れる非相対論的な共形代数について、自由場表現を構成し表現の分類を行った。特に対数的表現が現れる点が特徴的であり、一般的解析法を開発中である。また、弦の場の理論の対称性の構造について、前年度に開発した一般線形ゲージを用いた解析も継続中である。大川は、共同研究者とともに、境界を持つ共形場の理論における境界条件を変える演算子を用い、開弦の場の理論の解析解を構成することに成功した。限定的な場合ではあるが、一般の境界条件に対応する開弦の場の理論の解の構成に向けて有望なアプローチになり得ると期待できる。奥田は、共同研究者とともに、ある4次元空間でのN=2超対称性ゲージ理論を考察し、超対称性がN=4となる極限でインスタントンの寄与が完全に消えることを示した。また、N=2超対称性ゲージ理論での'tHooftループ演算子の期待値についてlocalization法による研究を進め、Liouville理論およびHitchin系と呼ばれる可積分系からの予想と一致することを示した。
|