2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロレンズ追尾観測網による太陽系外地球型惑星の探索
Project/Area Number |
20340052
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 文雄 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 准教授 (80184224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住 貴宏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (30432214)
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Keywords | 宇宙物理 / 光学赤外線天文学 / 惑星起源・進化 |
Research Abstract |
平成21年度は、マイクロレンズサーベイを行っているグループのうち、OGLEグループが新カメラへの移行作業のためほとんど観測が無く、MOA 1.8m望遠鏡によるアラート(マイクロレンズ事象)563イベントの中から、惑星の発見される可能性の高いイベント(高増光率、アノーマリなど)を選んで世界的な観測網による追尾観測を実施した。このうち、4個の事象で惑星と思われる変位が観測され、解析が進んでいる。このうち、MOA 2009-BLG-266は、地球質量の20倍程度のスーパーアースと考えられ、リアルタイム解析によって変位が発見されて有効な追尾観測に成功した点でも特筆されるイベントである。 また、過去のイベントの解析も精力的に実施され、OGLE 2005-BLG-071で発見されたM型矮星に付随する木星質量の3倍もの巨大惑星、OGLE 2007-BLG-368に発見されたスーパーアースなどが特筆される。さらに、惑星の発券数の増大につれて、それらの統計解析にもとづいて惑星形成理論と比較しようという試みも始まっている。これまでのところ、我々が主として観測しているM型矮星の周りには、予想以上に海王星質量程度の氷惑星ないしスーパーアースが多い様である。 これらの研究成果は、日本天文学会、ニュージーランド・オークランドで行われたマイクロレンズ国際会議、国立天文台で行われた系外惑星大研究会(招待講演)の他、査読付き学術雑誌に発表している。さらに、今後地球型惑星発見に向けて、世界のマイクロレンズ関係者を集めた研究会などを実施した。
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Research Products
(23 results)