2009 Fiscal Year Annual Research Report
軌道電子遷移による原子核励起メカニズムの解明とその応用
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20340061
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岸本 俊二 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 准教授 (00195231)
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Keywords | 原子核励起 / NEET / 軌道電子遷移 / 放射光 / X線 / アバランシェ・ダイオード / 内部転換電子 |
Research Abstract |
(1)シリコン・アバランシェダイオード(Si-AD)アレイ改良 検出効率を30%以上向上させるため浜松ホトニクス(株)に4x2配列Si-ADアレイ素子を特注した。ピクセルサイズ:^H2×^V1.5mmとして静電容量はH21年度製作の素子と同じに小さく保って高速化、入射ビームに対して垂直方向にピッチ:2.0mm(gap:0.5mm)で2段、水平方向にピッチ2.5mmで4列をピクセル配置したものを製作。KEK・PFのビームラインBL-14Aにて、73.04keVのX線ビームによってIr-193からの脱励起γ線を模擬し、Ir粉末(金属)から放出されるL光電子(L-内部転換電子のエネルギー分布を模擬)を使って時間分光システムと組み合わせてNEET実験に適した作動条件、測定法を確認している。 (2)Au-197のNEET吸収端微細構造の観測および核励起エネルギー精密測定 2009年7月にSPring-8ビームラインBL09XUにてAu-197のK吸収端近傍でNEET実験を行った。NEET核種のうちもっとも確率の高いAu-197と検出効率を向上させた計測系を使って微細構造を統計精度よく記録することが目的のひとつであった。入射X線ビームの幅が11eVとこれまでの2倍悪かったため、微細構造の観測としては十分ではなかった。ただし、励起エネルギーの精密観測を産総研・藤本弘之氏の協力を得て行った。これまでの実験結果から予想していたとおり、金197の第1励起準位が77.351keVよりも14eV低いことが精度4ppm以下、0.3eVの誤差範囲で求められたと考えている。論文準備中である。
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Research Products
(2 results)