2012 Fiscal Year Annual Research Report
LHCでの新しい物理発見に向けた散乱振幅自動生成プログラムの開発
Project/Area Number |
20340064
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
萩原 薫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50189461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神前 純一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (60169787)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 素粒子物理学 / 素粒子理論 / 素粒子実験 / シミュレーション / GPU / LHC / 国際情報交換(欧州) |
Research Abstract |
本研究の目的は、2009年度に実験が開始された欧州原子核研究機構(CERN)のLHC加速器で観測される新しい物理のシグナルとバックグランドの高速シミュレータを開発して、LHC実験グループと全世界の素粒子研究者の用に供することである。 新システムはLHC実験解析でも広く利用されているMadGraph/MadEventをベースとして開発し、コンパクトで安価な並列計算を可能にするグラフィックカード(GPU)上での高速シミュレーションを実現した。高速化の分野での今年度の最も重要な進展は、昨年度までに実現した逐次改良型モンテカルロ積分法による物理過程生成断面積の高速計算に接続するための、コンパクトで高効率、且つGPU上での演算が可能な新しいパートンシャワーを開発したことである。この研究の中核を担っていたKEKの外国人研究員、Kirilin博士が昨年度中にドイツのミュンヘン工科大学に着任されたため、研究開発は電子メールやウエブ会議を駆使して進められた。成果は研究分担者の神前により、物理学会秋季大会と年次大会に於いて発表された。 これまでの成果の応用として、テヴァトロンに於けるトップクォーク対生成の全後方非対称性に対するバックグランドの計算を行った。Wボソンと最低4ジェット生成を含む素過程がバックグランドとなり、GPUによる高速計算の利点が発揮された。成果は、共同研究者の高江洲義太郎博士により、国際会議「QCD2012」で発表された。 本研究計画で達成された、標準模型と新しい物理模型の高速シミュレーション機構は、散乱振幅計算に関してはテスト段階を終了し、一般の研究者が利用する計算センターの実証段階に達している。数十個のGPUクラスターを基幹とした計算センターは科学研究費の範囲で作ることができるため、物理解析の多様性が確保される。日本で開発された基幹技術なので、最初の実証施設を国内に設置したい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)