2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340065
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
中本 建志 High Energy Accelerator Research Organization, 超伝導低温工学センター, 研究機関講師 (20290851)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 教授 (30113418)
土屋 清澄 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 教授 (20044787)
荻津 透 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 教授 (30185524)
佐々木 憲一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 助教 (70322831)
|
Keywords | 加速器 / 化合物超伝導体 / 超伝導磁石 |
Research Abstract |
CERN-LHCアップグレードなどの次世代加速器では、超伝導磁石に要求される高性能化のポイントとして、さらなる高磁場化、耐放射線性能向上、機械的安定性等が挙げられる。これらを踏まえ、平成20年度は、Nb3Al超伝導モデル磁石の詳細設計、ならびにモデル磁石の製作について開発研究を進めた。なお、Nb3Al超伝導ケーブルの製作が遅れたため、当初予定していたコイルサンプル製作及び機械特性評価は次年度以降に順延した。まず有限要素法解析プログラム(ANSYS)を用いて、Nb3Al超伝導モデル磁石の3次元での詳細な磁場及び機械構造設計を行った。本研究のモデル磁石は、将来の加速器応用に向けた基礎開発と位置づけられる。このため構造が比較的単純なダブルパンケーキ型レーストラックコイルを採用し、磁石中でのNb3Al超伝導ケーブルの性能検証が可能となるようにした。また、いわゆる『Common Coil』と呼ばれるコイル配置により、中央で隣り合う逆向き電流コイルブロックの隙間(約1mm)にできるだけ効率的に高磁場が発生するよう工夫した。さらに既存のNb3Sn超伝導コイルと組み合わせることで、最終的にはNb3Al超伝導コイル上で最高13.2T(於電流12kA)を発生する磁場設計となった。次に機械構造計算を行い、液体ヘリウム温度4.2Kで、強大な電磁力下においても超伝導コイルの健全性が保たれるよう、各部の詳細な形状、材料、寸法を決定した。詳細設計は無事終了し、既に一部の主要部品や組立治具の製作を開始した。
|