2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩井 伸一郎 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60356524)
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Keywords | 強相関電子系 / 光誘起相転移 / 超高速分光 / テラヘルツ分光 / 有機伝導体 / 遷移金属酸化物 |
Research Abstract |
広帯域(0.1-30THz)のテラヘルツ時間分解分光によって、光生成した電子状態や格子の状態を明らかにする。特に、光誘起絶縁体-金属転移における光誘起金属状態の局在と非局在の狭間にある特異な電子状態の性質や、<100cm-1の低周波格子振動の役割を、テラヘルツ領域の広帯域過渡スペクトル測定により解明する。平成20年度は、既存の測定形の改良、整備を進めるのと並行して、新規レーザーシステムの導入手続きを進め、次年度に行う、新規レーザーシステムを用いた、テラヘルツプローブ光の広帯域化(〜20THz)や高強度テラヘルツ光を用いた光誘起相転移の探索への準備を行った具体的には、広帯域のテラヘルツ過渡測定の準備として、ポンププローブ測定系全体を乾燥パージボックスの中に構築するなど測定形の改良、整備を進めるなど、テラヘルツ過渡測定の高精度化を既存の100fsレーザーシステムの下で行った。このシステムを用いて、1-10meVの測定範囲における有機伝導体α-(ET)_2I_3および、遷移金属酸化物LaCoO_3における定常スペクトルと過渡スペクトルの測定を行った。テラヘルツ領域の測定が、熱的および光誘起の絶縁体-金属転移を調べる上で有効であることを示すことができた。また、広帯域テラヘルツ光発生のための、新規25fsレーザーシステムの導入手続きを完了した(導入自体は21年度)。また、極短パルス光源による分光などを含む計画全体を踏まえて、超高速分光実験室の大掛かりな配置換えをほぼ完了した。
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