2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子配列を精密に整えた発光性1nm粒子による100%効率の達成
Project/Area Number |
20340071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粕谷 厚生 Tohoku University, 国際高等研究教育機構, 客員教授 (10005986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 彰三 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40171277)
前川 英己 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60238847)
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Keywords | 半導体微粒子 / ナノ粒子 / II-VI族化合物 / 篭状粒子 / マイクロクラスター / CdSe / 量子ドット / 量子箱 |
Research Abstract |
本研究では原子数まで正確に揃えた欠陥の全くない直径1nm台の半導体粒子を合成し、100%の効率で発光する超微細電子素子の創製を目指す。1nm台の粒子は構成原子数nが100を割り、1個の増減で安定性が著しく変化するようになる。この性質を利用すれば、特定のnを持つ安定な粒子だけを選択的に成長させることが出来る。原子数が決まれば原子配列は一意的に定まり、欠陥の全くない完全に単一な粒子が得られる。これにより、効率低下の主因である構造欠陥を取り除いて損失の全くない1nm発光体を作製することが可能になる。 これを追求するために光学材料として優れたII-VI族半導体の一つであるCdSeについて、最近合成法を見出した粒径が1nm台で完全に単一な(CdSe)13、(CdSe)19、(CdSe)33、(CdSe)34、等を溶液中で選択的に生成した後、引き続き僅かに成長或は表面修飾を施して発光効率の変化を調べる。この試料につき、終端原子を含めた1nm粒子の構造と発光効率との関係を微視的に解析することによって励起された電子が精密な原子配列の中で単一な緩和過程を経て最大高率で電子的機能を果たす条件を明らかにする。 初年度では試料作製と次の実験を開始した。 1. ナノ粒子の生成過程の解析と単離条件の決定(粕谷、伊藤) 1ナノメータ粒子として(CdSe)13、(CdSe)33、(CdSe)34、(CdSe)48、を溶液法によって作製し、単離する条件を見出した。 2) 核磁気共鳴及び光吸収スペクトルによる検証 得られた(CdSe)13、(CdSe)33、(CdSe)34、(CdSe)48、につき核磁気共鳴測定により原子配列の定まった試料であることを確認し、構造決定を行った。 3) X線回折よる(CdSe)nの精密構造解析(担当:前川、粕谷、協力者) 基板上に堆積させた試料につき、X線回折による構造解析を行い、第一原理計算の結果との比較を試みた。 4) 各種光学測定による発光効率の精密解析と最適化(担当 : 粕谷、須藤、協力者) 各試料について光吸収、発光、ラマン散乱測定により、電子状態、結合状態、を解析し、発光過程については電子の励起及び緩和過程を詳細に調べて効率との関係を考察した。
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Research Products
(10 results)