2009 Fiscal Year Annual Research Report
CeCoIn5におけるFFLO状態と特異な渦糸コアに関する研究
Project/Area Number |
20340082
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
熊谷 健一 Hokkaido University, 名誉教授 (70029560)
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Keywords | 強相関電子系 / 超伝導 / 核磁気共鳴 / FFLO / 磁気秩序 / CeCoIn_5 |
Research Abstract |
重い電子系超伝導体CeCoIn_5(T_c=2.3K)は、超伝導転移が1次相転移であり、さらには、強磁場・極低温領域で新たな超伝導相が出現する。この新奇超伝導相はPauli limitを超える強磁場中において現れるFFLO状態であることが期待されている。また、多くの実験結果はCeCoIn_5が量子臨界点近傍に位置することを示しており、特異な磁気的性質が現れる。我々はCeCoIn_5の低温・強磁場領域での新たな超伝導相においてab面内およびc軸に磁場を加えてIn(1),In(2)サイトでのNMRスペクトルの磁場および温度依存性を詳細に測定した。主な結果は、 1.Pauli limitを超える強磁場で下での超伝導状態での局所スピン帯磁率温度依存・磁場依存性からa)一次相転移での局所スピン帯磁率の不連続変化をナイトシフトの変化を初めて観測し、b)超伝導状態でのスピン帯磁率の抑制の磁場依存性は特異であること。 2.Hllc-axisの場合もスプリットしたスペクトルが観測されFFLO状態でのnodal planeの出現を示している。Hlla-axisに比べてHllc-axisの場合には、FFLO相はH-T図で極めて狭い領域にのみ現れ、BCS相との境界線の磁場依存性はほとんど無いこと。 3.Hlla-axisの磁場印加でIn(2)サイトにおいて内部磁場を受けた特徴あるNMRスペクトルが観測され、非整合磁気秩序の出現がNMR実験により明らかになり、磁気秩序が新奇超伝導相内でのみで出現する特異な磁気状態であることを明確にした。
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Research Products
(4 results)