2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉本 義夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70111250)
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Keywords | f電子系 / 多極子 / 連続時間量子モンテカルロ / 近藤格子 / 非クラマース系 / 2チャンネル近藤格子 / 磁気八極子 / 動的平均場理論 |
Research Abstract |
*非クラマース結晶場状態を持つ一般化近藤格子の秩序状態 重い電子の性質はf電子を原子あたり1個持つCeや,13個持つYbなどが典型的に研究されてきた.最近はPrFe4P12やURu2Si2の隠れた秩序変数に興味が持たれている.f電子系は,サイトあたりの電子数が奇数個と偶数個合で異なる特徴を示す.PrやUの系は後者に対応し,時間反転によるクラマース縮退がない場合があり,非クラマース系と呼ばれている.連続時間量子モンテカルロ法(CT-QMC)と動的分子場理論(DMFT)を組み合わせて,単重項-3重項近藤格子の秩序状態を研究した.近藤効果による単重項と結晶場単重項のサイトが交互に配列する新しい秩序を見出した.この秩序はPrFe4P12で見出されているスカラー秩序を微視的に説明する.さらに,単重項交替秩序を直観的に理解するための量子力学的現象論を構築した. *f電子欠損の乱れがある近藤格子の電子状態とフェルミ面 CeをLaで部分的に置き換えた近藤格子系を研究した.CT-QMC法とDMFTを組み合わせる他,乱雑性の効果はCPAを用いて考慮した.ある割合xのf電子サイトの交換相互作用をゼロにして,LaでCeをxだけ置き換えるモデルにすると,フェルミ面が伝導電子数とxに依存して興味ある挙動をしめす.例えば伝導電子数がサイトあたり1-xの場合にはフェルミ面が消える.さらに電子寿命をあらわすディングル温度を導出し,x=0.5の時に最大になることが分かった.
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