2009 Fiscal Year Annual Research Report
擬2次元遷移金属酸化物における異方的電荷・軌道物性の制御
Project/Area Number |
20340086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
十倉 好紀 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (30143382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野瀬 佳文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80436526)
井口 敏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (50431789)
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Keywords | 軌道秩序 / 電荷秩序 / 異方性 / 擬二次元性 / 光学応答 |
Research Abstract |
本研究では、層状マンガン酸化物やニッケル酸化物など擬2次元遷移金属酸化物のスピン電荷軌道秩序における機能性を開拓することを目的としている。特に、スピン・電荷・軌道の自由度がもたらす秩序の"director"(方向性)としての性質に着目し、低対称歪みと電荷軌道の方向的秩序の結合などを利用しつつ、これらがもたらす誘電率、抵抗率、弾性率、磁化率などにおける巨大な異方性を探求する。 本年度の成果の一例としては、層状ペロブスカイト型マンガン酸化物Pr(Sr1-yCay)2Mn2O7における反射率、ラマン散乱スペクトルの測定を取り上げる。この物質系は、CE型の電荷・軌道ストライプが温度、一軸圧によって回転するため、単一試料による電荷・軌道整列状態の詳細な情報を得るのに適している。また、室温近傍での電荷軌道整列に伴う強誘電転移など興味深い物性を示すことも知られている。昨年度得られた良質な単結晶試料を用い、反射率、ラマン散乱スペクトルを測定した結果、CE型の電荷・軌道秩序を示すy=0.9の試料においては強誘電転移温度以下で空間反転対称性の破れに伴うラマン活性な赤外光学フォノンが現れることを確認し、また、さらに低温での反強磁性秩序と共に現れる広帯域なピークを2ーマグノン励起によるものと結論づけることが出来た。さらに、A型の反強磁性体であるPrSr2Mn2O7(y=0)では、全温度領域で数百meVもの大きな擬ギャップ構造が観測され、この擬ギャップ構造と光学フォノンが縦方向の電荷ストライプ相関によって引き起こされたものだと分かった。
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[Journal Article] Far-infrared optical study of electromagnons and their coupling to optical phonons in Eul-xYxMnO3(x=0.1, 0.2, 0.3, 0.4, and 0.45)2009
Author(s)
Y.Takahashi, Y.Yamasaki, N.Kida, Y.Kaneko, T.Arima, R.Shimano, Y. Tokura
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Journal Title
Physical Review B 79
Pages: 214431-1-8
Peer Reviewed
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