2009 Fiscal Year Annual Research Report
空間反転対称性の破れたナノ超伝導体のスピン分解フェルミオロジー
Project/Area Number |
20340092
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 昭夫 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00272534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生天目 博文 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10218050)
井野 明洋 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60363040)
仲武 昌史 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教 (60342599)
坂本 一之 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 准教授 (70261542)
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Keywords | ナノ超伝導体 / 空間反転対称性の破れ / スピン角度分解光電子分光 / 多軸回転マニピュレータ / 高分解能角度分解光電子分光 / 走査型トンネル顕微鏡 / ナノ細線 / スピン1重項と3重項 |
Research Abstract |
本研究は,ナノ超伝導体を人工的に作成し,空間反転対称性の破れに起因するスピン分裂バンド構造およびその準粒子の振る舞いについて,スピン・角度分解光電子分光(SR-ARPES),高分解能角度分解光電子分光,および低温走査型トンネル顕微鏡を用いて明らかにすることを目的としている。 今年度は,平成20年度に設置した極低温クライオスタット付き高精度多軸回転マニピュレータを用いてSb/Si(111), Bi/Si(111), Pb/Si(111), Bi/W(110)等を対象としたスピン・角度分解光電子分光(SR-ARPES)実験を行った。また,研究代表者はイタリア・パルマで行われたヨーロッパ表面会議(ECOSS26)に出席し,最近の成果発表に加え,SR-ARPES実験の世界の動向について調査を行った。さらには,第11回電子分光と構造(ICESS-11,奈良市)および第449回Wilhelm and Else Heraeus Seminar(バドネフ,ドイツ)にて招待講演を行い,当該分野において世界第一線で活躍する研究者と有益な意見交換を行うことができた。特に,Bi/Si(111)に関する実験結果では,時間反転対称性を持たない場合でもラシュバ効果が現れるというまったく新しい物理概念を見いだすことができ世界中の注目を集めた(11.研究発表参照)。本研究は中国新聞(2009年10月6日社会面)に成果が報道された。
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Research Products
(11 results)