2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間反転対称性の破れたナノ超伝導体のスピン分解フェルミオロジー
Project/Area Number |
20340092
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 昭夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00272534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生天目 博文 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10218050)
井野 明洋 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60363040)
仲武 昌史 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教 (60342599)
坂本 一之 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 准教授 (70261542)
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Keywords | ナノ超伝導体 / 空間反転対称性の破れ / スピン角度分解光電子分光 / 多軸回転マニピュレータ / 高分解能角度分解光電子分光 / 走査型トンネル顕微鏡 / トポロジカル絶縁体 / ビスマス・セレナイド |
Research Abstract |
平成22年度は,空間反転対称性の破れに起因するスピン分裂バンド構造について,スピン・角度分解光電子分光(SR-ARPES),高分解能角度分解光電子分光(HR-ARPES),および低温走査型トンネル顕微鏡(LT-STM)を用いて明らかにすることを目的として研究を行った。その結果,いろいろな目覚ましい成果が得られた(11.研究発表参照)。まずは,ビスマス単結晶のバルク状態においてラシュバ型のスピン分裂が現れることを初めて発見した。また鉛吸着半導体表面にて巨大なラシュバ型スピン分裂を伴った金属的なバンドを世界で初めて発見した[日刊工業新聞(2010.5.18),産経新聞(2010.5.18)]。さらにトポロジカル絶縁体ビスマス・セレナイドの表面状態のフェルミ面が六角形に変形していることをつきとめた[日刊工業新聞(2010.8.30),科学新聞(2010.9.3)]。また3元化合物のタリウム・ビスマス・セレナイドが新しいトポロジカル絶縁体であることを発見し,従来よりも理想的な表面状態が形成されていることを明らかにした[中国新聞(2010.9.22)]。これらの成果を国内外の学会にて発表し,高い評価をうけた。実際に,第30回表面科学学術講演会において講演奨励賞を受賞し,日本表面科学会放射光表面科学部会シンポジウムでは最優秀ポスター賞を受賞するに至った。さらには社会への情報発信としてこれらの成果につきプレスリリースを行い,複数の新聞に掲載された(上記参照)。
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Research Products
(37 results)