2011 Fiscal Year Annual Research Report
低次元系の特異な電子相を利用したデバイス創製ならびにスピンダイナミックス研究
Project/Area Number |
20340095
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
中村 敏和 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 准教授 (50245370)
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Keywords | 有機導体 / 電荷秩序 / 反強磁性 / スピンギャップ / 高圧実験 / 磁気共鳴 |
Research Abstract |
一次元スピンパイエルス-反強磁性量子臨界近傍楓質量ゼロのディラック粒子系,導電性ヘリカルナノチューブなど特異な電子構造を持つ分子性固体に着目し,熱平衡条件下ならびに電場および磁場印加・光応答条件下におけるスピンダイナミックス研究を行っている.軽元素で構成される分子性物質はスピン軌道相互作用が小さく,加えて一次元電子系やディラックコーン型エネルギー分散を持つ系では,スピン緩和が著しく抑制されるものと期待できる.スピン輸送・高移動度・太陽電池・量子コンピューティングデバイス材料への適用を念頭に置きながら,非接触でかつ微視的な分光法である磁気共鳴法(電子スピン共鳴(ESR)・核磁気共鳴(NMR))により,それらの物質群の電子状態を理解すると共に,その特異性を生かした分子性デバイスを開拓することを最終目標としている. 平成23年度は,強磁場,パルスESR,光誘起時間分解といった種々の先端ESR測定法で,1)一次元電子系(TMTTF)2Xの異常スピン」重項状態,2)新規な自己ドープ型有機導体の電子状態,3)光伝導性有機デバイス材料の電荷分布,4)磁性イオン性液体の磁場・温度挙動,などの電子物性研究を行うことができた.また13C-NMRにより一次元電子系(TMTTF)2Xの量子臨界点近傍相のスピンダイナミックスを明らかにした.また,超高圧下での磁気共鳴研究,類縁体に対する系統的な構造的研究により(TMTTF)2Xの電子相図に関する統一像を明らかにすることができ,これらの成果はすでに多数の論文に掲載されている.今後も本課題の研究成果を踏まえ,さらなる物質研究を行う.
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Research Products
(8 results)