2009 Fiscal Year Annual Research Report
スピンナノチューブの異常量子現象の理論的・計算科学的研究
Project/Area Number |
20340096
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂井 徹 University of Hyogo, 大学院・物質理学研究科, 教授 (60235116)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
利根川 孝 福井工業大学, 工学部, 教授 (80028167)
岡本 清美 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (10114860)
奥西 巧一 新潟大学, 自然科学系, 助教 (30332646)
中野 博生 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (00343418)
|
Keywords | スピンナノチューブ / 量子相転移 / ナノ磁性 / スピンギヤツプ / 低次元系 |
Research Abstract |
三本鎖スピンナノチューブの断面の三角形を正三角形から二等辺三角形に変形する格子歪みを導入し、これに対して3分の1磁化プラトー近傍で、その磁場誘起ギャップがどうふるまうかを、密度行列繰り込み群・数値的厳密対角化・摂動論などを導入して解析した。 その結果、3分の1磁化プラトーは正三角形の場合を含む広範囲にわたって現れるものの、1辺が弱い二等辺三角形と1辺が強い二等辺三角形では、この磁化プラトー形成のメカニズムが違うことを反映して、異なる量子相になっていることが判明した。さらに重要な発見としで、この二つの異なる磁化プラトー相の中間に、これまで知られていなかった全く新しい量子相が出現することがわかった。この新しい量子相の性質を調べたところ、並進対称性の自発的破れを伴う、2倍周期構造が実現しており、その結果として、ネール秩序、カイラル秩序、あるいはダイマー秩序と考えられる興味深い秩序が実現していることが判明した。
|