2008 Fiscal Year Annual Research Report
電荷分布不均一性を持つ層状ペロブスカイト遷移金属酸化物の異常励起
Project/Area Number |
20340097
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
中島 健次 Japan Atomic Energy Agency, J-PARCセンター, 研究副主幹 (10272535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 亮一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究副主幹 (30391254)
社本 真一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (90235698)
樹神 克明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10313115)
長壁 豊隆 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (80354900)
脇本 秀一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (40399415)
|
Keywords | 強相関系 / 磁性 / 層状ペロプスカイト / 遷移金属酸化物 / 磁気励起 / 中性子散乱 / J-PARC / ホールドープ |
Research Abstract |
研究初年度である本年度は、本研究を支える試料の効率的育成、ホール濃度調整環境、集中的実験を可能にするJ-PARCの中性子実験装置にかかる本研究のための追加機器の整備といった研究環境の整備、及び、それらの試用も視野に入れた予備的研究を実施した。まず、試料育成・調整環境の整備に関しては、既存の試料育成環境を本研究の目的にあわせて整備した他、デジタル制御型のマスフローメーター1系統を導入し、酸素濃度制御によるホール量制御等のための雰囲気制御アニールを実施できる基本的な環境を整えた。特に試料育成環境については、本研究の中心となるLa214系試料の他、鉄系超伝導体試料に対しても試験的に運用し、試料の育成に成功するなど成果を得た。このまま試料調整環境の整備を継続的に進めていき、試料調整の自動化や、ガス制御系の多重化等の効率化を進め、来年度以降の本格的な試料作成につなげていく予定である。また、中性子実験装置関連については、J-PARCにて建設が進められる分光器、アマテラス、四季について本研究のための付加的な機器、特に、試料環境装置関係について、分光器自身の整備と合わせて進めることができた。単結晶を用いた測定に必須の小型ゴニオメーターについては、2軸分のゴニオメーターと制御系の基幹部分を整備し、最低限の実験環境は整えた。施設・設備の不調のため、本研究において主力となるJ-PARCにおける中性子散乱実験を行う目処が年度内に立たなかったことが不安材料であるが、概ねそれ以外に関しては、研究の準備段階である本年度の目的は達成できたと考える。
|