2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増渕 雄一 京都大学, 化学研究所, 准教授 (40291281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 宏 京都大学, 化学研究所, 教授 (90167164)
松宮 由実 京都大学, 化学研究所, 助教 (00378853)
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Keywords | 分岐高分子 / ダイナミクス / レオロジー / からみあい / シミュレーション / 動的管膨張理論 |
Research Abstract |
分岐高分子のからみあいダイナミクスは工業的にも重要だが定量的に記述できていない.本研究では申請者独自の粗視化モデルを,実験的な定量検証を通じて改良すること,および,結果を踏まえて新しい理論モデルを構築することを目的とする. 応募者の増渕はこれまでに星型とH型高分子のダイナミクスに関する粗視化理論の提案を行っている.本研究では非対称星形および非対称H形高分子において系統的な研究を行っている.具体的にはシミュレーションと実験で分岐点と分子の運動を調べ,動的管膨張理論などを応用した高速粗視化理論を検討する.本年度は昨年度に続いてシミュレーションコードの改良と検討,動的管膨張理論の検討,実験試料の合成を行った.実験データとシミュレーション結果との比較も実施した.昨年度,非対称星型高分子,対称星型高分子,および直鎖高分子の濃厚溶液に対する実験結果に対して,シミュレーションの定量的な一致を見た.本年度これを詳細に解析し,従来理論で考慮されていた分岐鎖の緩和機構の不備を指摘した.さらに非対称星型のモデルをくし型分岐に拡張し,実験データ(Kirkwood et al,Macromolecules 2009, 42, 9592)を定量予測できることを確認した.また分岐鎖の緩和機構も検討した.これらの結果は論文としてまとめ,投稿準備中である.
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Research Products
(22 results)