2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 正志 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (80201937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 俊幸 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10178858)
浦川 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70273539)
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Keywords | ガラス転移 / ゴム弾性 / 複屈折 / 光ピンセット / 応力光学則 / 応力光学係数 / 粘弾性 / セグメント |
Research Abstract |
surface loading法により,gap loading法では測定不可能な高い周波数領域の粘弾性測定を試みた.surface loading法は,試料に浸した平板を振動させることにより試料中にずり波を生じさせ,この波が平板表面から離れるにしたがって減衰する現象を利用するものである.本研究では,1000Hzまでの測定を目指した.こうした古典的な方法で得た結果は,前年度開発した光ピンセット法による結果と一致することを確認した. また,光を入射し,複屈折測定も同時に行えるように,装置の改良を行った. 高粘度の溶媒を用いてかつ低温で測定で行い,希薄溶液の粘弾性を可能な限り高周波数領域まで求め,粘弾性セグメントを評価する.また,光ピンセット法で得た結果とsurface loading法の結果の無矛盾性を確認にする. 従来の研究では,粘弾性測定では高沸点溶媒を用いるのが,常識であった.しかしながら,低沸点溶媒であってもガラス転移領域まで急冷すれば,粘弾性測定が可能になることを,本研究により初めて明らかにした.低沸点溶媒を用いることにより,高分子と溶媒分子のダイナミクスを分離することができ,溶液中での高分子のガラス転移を精度よく評価することが可能になった.この結果,メルト中では,ガラス転移では分子間相互作用が支配的であるが,溶液中では,分子内相互作用が支配的となり,ガラス転移に関わる運動モードが,ねじれ運動で記述できることを見いだした.
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Research Products
(6 results)