2009 Fiscal Year Annual Research Report
3次元マイクロレオロジーを用いたソフトマターの時空間階層構造の解明
Project/Area Number |
20340113
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 康之 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (00225070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 靖孝 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (50552494)
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Keywords | 光ピンセット / ソフトマター / 空間光変調器 / 位相ホログラム / マルチトラップ / 光渦 / 3次元操作 / 流体力学的相互作用 |
Research Abstract |
本研究では、複雑な内部構造を持つソフトマター中に分散したナノサイズのコロイド粒子をレーザートラップし、試料中の各点において、その交流刺激(力学振動あるいは電場)に対する複素変位を計測することで、試料の3次元的な構造や局所的ダイナミクスに関する情報をメソスコピックスケールの分解能で得ることを目指している。また、多粒子をレーザートラップし、その運動をリアルタイム観測することで、ソフトマター中でのダイナミクスの空間的不均一の可視化を実現することも目指している。 本年度は平成20年度に導入した空間光変調器(SLM)を用いて、位相ホログラムにより任意形状の光パターンを作成するマルチレーザートラップシステムの開発とその評価を行なった。任意の画像パターンからSLM上に表示する位相パターンを高速に作成するプログラム開発を行ない、数十個のコロイド粒子を同時捕捉し、これらを複雑なパターン上に配列することに成功した。さらに、レンズ効果を位相パターンに重畳することで3次元的な粒子トラップを実現した。開発したシステムを用いることで、任意の配置での3次元的な局所情報の計測が可能となった。さらに、レーザーの波面が回転する光渦を作成し、粒子に角運動量を与えることにも成功した。その際、同一半径の円周上に粒子をトラップしつつ、これらに角運動量を与え、その平均速度の充填密度依存性を調べた。その結果、流体力学的相互作用に起因した速度増加や特徴的なクラスター形成を観測することに成功した。これらの知見はマイクロ流路中での粒子操作の際の有用な知見を与えるものと考えている。
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Research Products
(21 results)