2011 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧条件下におけるケイ酸塩ガラスの密度と構造のその場測定
Project/Area Number |
20340116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船守 展正 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (70306851)
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Keywords | SiO2ガラス / クリストバライト / ヘリウム / 大量溶解 / 偏差歪 / 残留異方性 / 高密度化 / マグマ |
Research Abstract |
4年計画の最終年度にあたる平成23年度は、前年度までに得られたSiO2ガラスに関する研究成果を発展させる形での研究を行った。前年度に、高圧下においてSiO2ガラス中の空隙にヘリウムが大量溶解することを発見したことを受けて、ガラスに近い構造を持つとされるクリストバライト(SiO2の結晶相)に対する実験を行い、この結晶相にもヘリウムが大量溶解することで新しい構造への相転移が起こることを見出した(学術雑誌に投稿中)。また、平成21~22年度に実施したSiO2を一軸加圧した際の偏差歪の測定について、解析方法と解析結果についての検討を進めることで、4配位から6配位への構造変化に伴う急激な降伏強度の低下は起こらないこと、空隙の変形が極めて大きいこと、さらに、それが巨大残留異方性として減圧後の試料に残ることなどを明らかにした(学術雑誌への投稿準備中)。また、永久高密度化させたSiO2ガラスについての実験を行い、高密度化ガラスが弾性的に振る舞うこと、その圧縮は通常のガラスと同様に空隙の収縮によって支配されることを明らかにし、状態方程式の決定を行った。高密度化ガラスに関する研究の成果は、すでに論文として公表されている。これを受けて、上部マントル深部におけるケイ酸塩メルトの状態方程式についての考察を行い、中距離構造(ネットワーク構造)が高密度化した状態にあると仮定して求めた状態方程式が、これまでに報告されている橄欖岩質や玄武岩質などのマグマの高温高圧下における全ての密度データを極めて良く説明することを明らかにした(学術雑誌への投稿準備中)。
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Research Products
(18 results)