2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性島弧火山と大陸地殻生成 -伊豆・小笠原弧マントルイメージングによる解明-
Project/Area Number |
20340122
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小平 秀一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, チームリーダー (80250421)
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Keywords | 島弧火山 / 大陸地殻 / マントルイメージング |
Research Abstract |
北部伊豆小笠原弧における海底地震計(OBS)観測によって得られたデータを用いた地震波トモグラフィの結果からマントルウェッジの不均質構造と島弧の地殻成長の空間的不均質の関連を示し、その成果を論文として取りまとめた[Obana et al., 2010]。さらに、伊豆・小笠原弧の南北における地殻生成の差異の原因を明らかにするため、伊豆・小笠原弧南部で実施した海底地震観測のデータ解析を進めた。観測では2009年9月下旬の海洋調査船「かいよう」KY09-08航海において、約45km間隔で40台の海底地震計を設置し、10月1日より収録を開始した。全てのOBSが2009年12月の「かいよう」KY09-10航海で回収され、内38台で約3ヶ月間の連続記録が得られた。解析には海底地震計の記録に加えて、防災科学技術研究所によって運用されているF-netの八丈島、青ヶ島および父島の地震計の記録も用いた。一次元構造を用いて行った震源決定によると、伊豆小笠原海溝から沈み込む太平洋プレートに沿った地震活動が明瞭に示されており、深さ70kmから150kmにかけて二重深発地震面を確認することが出来る。また深さ300kmより深部では、深発地震の発生面が北から南にかけて急傾斜になっている。一方、火山フロント周辺の深さ20~30kmでは、所々に地震活動が活発な領域が存在している。得られたデータを用いて南部伊豆小笠原弧のマントルウェッジ構造について、今後更に検討を行う。
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Research Products
(8 results)