2009 Fiscal Year Annual Research Report
4次元GPSトモグラフィーによる地震動に伴う電離層内短周期波動現象の解明
Project/Area Number |
20340123
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
大林 政行 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部ダイナミクス領域, 主任研究員 (30359179)
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Keywords | 大気振動 / 電離層擾乱 / 地震が発生する大気波動 / GPS-TEC擾乱 / GEONET / 大気重力波 / 長周期音波 / ラム波 |
Research Abstract |
今年度はGPS電離層密度擾乱を発生させる地震や、特に2009年に活発になった桜島の火山噴火直後のデータ収集を継続した。これまでに日本国内で観測された地震直後の微気圧変動やGPS電離層擾乱事例を国際学会で報告した。 電離層トモグラフィーにおいて各衛星ごとのバイアスがあるためにうまく解が求まらないことがあり、これを解決するために衛星ごとのバイアス(時間において一定)も逆問題を解く上での未知数として解く修正を加えた。 また、大気波動伝搬計算コード開発をすすめ、現実大気の水平密度成層構造で、重力波やラム波、音波に対応するモード計算が、数千キロに及ぶ長波長から数キロの短波長まて、周期が1時間を超える長周期から周期10秒程度の音波領域まで可能になった。大気波動の長時間・長距離伝搬の計算に必要な放射境界条件について、音波は重力波の区別なく任意の波動に対して、周波数領域と時間領域ともに適応可能な基本原理を発見し学会で発表した。 等温密度成層大気の底に任意の周期と波長で変形を与え、大気側に発生する波動や波動エネルギー伝搬についての解析解を求め、国際誌に発表した。この論文は過去の複数の論文の過ちを指摘し、どのように正しく計算するか示している。この等温密度成層温度を変えて積み重ねて現実大気に近い構造を模すことが可能で、今年度開発が進行した大気波動モード計算コードもこの等温密度成層大気の波動を基礎として開発を進めている。この計算コードの特徴は、解析解を用いているので、モード計算が非常に高速である特徴がある。また、モード計算だけでなく、下層から上層への周波数・波数領域での伝達関数として利用が可能で、広い周波数・波数領域で伝達関数が求まれば、時間・空間領域の波動を一気に計算することが可能となる。 また三雲先生と共著で、地震時に発生する大気波動についてレビューを著した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
T.Mikumo
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Journal Title
Infrasound Monitoring for Atmospheric Studies(Springer)
Pages: 263-281
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