2010 Fiscal Year Annual Research Report
4次元GPSトモグラフィーによる地震動に伴う電離層内短周期波動現象の解明
Project/Area Number |
20340123
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
大林 政行 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 主任研究員 (30359179)
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Keywords | 大気波動伝播 / 電離層擾乱 / 地震が発生する大気波動 / GPS-TEC擾乱 / GEONET / 大気重力波 / 長周期音波 / ラム波 |
Research Abstract |
地震や火山の爆発的噴火により電離層内擾乱が発生し伝播する。火山爆発は時刻と位置が正確にわかっており、地動-大気のカップリングを考える必要のある地震起源の電離層擾乱の発生に比べ、発生頻度も多いため、大気構造による電離層擾乱伝播の影響が調べやすい。桜島島内で観測された火山爆発的噴火の空振記録から、大気圧力波の観測された波形が、地形や風向以外に、圧力センサーにより大きく異なる可能性が指摘された。波形の差異の原因を探るため各種圧力センサー(アコー社、プリモ社、BK社、パロサイエンティフィック社、テケレク社)を持ち寄り、爆発的噴火を模した圧力変動を与え室内比較実験(主な圧力変動の帯域が周期1-10秒)を実施した。波形が異なる原因は、マイクロフォンの感度が周期2,3秒から減少しはじめ、周期10秒付近では応答振幅・位相ともに大きく変化しているためであった。パロサイエンティフィック社とテケレク社の製品はより広い帯域で波形がほぼ一致している。プリモ社とBK社のマイクロフォンはアコー社のマイクロフォンより帯域は長周期まで伸びているが、感度が周期10秒付近ですでに落ちている。実際の野外観測環境下で比較観測をするため、2010年3月より桜島気象庁瀬戸点にこれらマイクを持ち寄り、桜島空振比較観測を2011年2月まで継続した。霧島火山2011年1月の爆発的噴火後、霧島火山観測所、霧島総合支所に圧力計を設置して空振観測を開始した。日本気象協会と協力して鹿児島工業専門学校に水晶式圧力計(nano-baro)を設置した。また、2009年10月3日の桜島火山爆発的噴火で発生した大気圧力波を日本列島南岸に沿って観測した例を報告した。1991年フィリピンでのピナツボ火山噴火時に観測された、特定周期(約270と230秒)の長周期表面波の発生は、大気と固体地球の共鳴現象であることを明らかにし、国際誌に発表した。
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Research Products
(6 results)