2008 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造観測グライダーを用いたフロントの動態とサブメゾスケール過程の究明
Project/Area Number |
20340127
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 秀勝 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 教授 (80260537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 逸人 東京海洋大学, 海洋工学部, 准教授 (40361802)
長井 健容 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (90452044)
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Keywords | 水中グライダー / 微細構造 / サブメゾスケール / 乱流 / 混合 |
Research Abstract |
海洋のフロントとは異水塊が隣り合わせに存在する状態である。一般に、フロント域そのものの空間スケールはメゾスケールと呼ばれ、数キロから数100キロであるため表面水温や海面高度に関する衛星データから、その存在を確認することができる。 メゾスケールはほぼ地衡流バランスしているため、小さなスケールへの運動エネルギーのカスケードダウンが発生しにくいため、このカスケードダウンに係る過程はサブメゾスケールと呼ばれる数100mから数キロ程度の鉛直流を伴う現象であることが分かってきた。 しかしながらサブメゾスケールは密度構造が水平方向に対して急激に変化する現象であるため、一般的な観測から捉えることが困難である。 このようなスケールの現象が混合過程とどのように関わっているか理解するためには微細構造を調べなければならない。そこで本研究は研究代表者の開発した微細構造観測装置TurboMAPと連携研究者(有馬)が開発した水中グライダーの技術を融合することにより、海洋の微細構造を水平的に観測する測器(TurboMAP-Glider)を開発することが目的である。本年度は、TurboMAP-Gliderの設計および製作を行うために、すでに開発されている自由落下式鉛直プロファイラー(TurboMAP2)に有馬が設計した主翼と尾翼を取り付けTurboMAP-Giderのプロトタイプを作成し、実海域および大型深層水槽(九州大学)にてその水中飛行の挙動に関する実験を行った。この結果から水中飛行中の本体角度と進行角を算出する方法を考案した。その算出方法の妥当性は、水槽実験において水中飛行の様子をヴィデオ撮影することにより確認した。また、実海域における計測データより本体に取り付けらているシャープローブのノイズレベルは10^<-10>(Wkg^<-1>)のオーダーで、鉛直落下式のものと同程度であることが分かった。このノイズレベルはこれまで唯一構築されたEPSONDO-Gliderの1/10程度ある。 これらのプロタイプの実験結果をもとに、新型のTurboMAP-Gliderを設計し、制作を行った。
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Research Products
(4 results)