2008 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の鉛直分布測定のための実用ライダー技術の開発
Project/Area Number |
20340130
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
永井 智広 Japan, Meteorological Research Institute, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (30343891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 親生 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (80145664)
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Keywords | 二酸化炭素 / ライダー / 二酸化炭素鉛直分布 / 地球温暖化 / 光パラメトリック発振器 / 差分吸収法 / DIAL |
Research Abstract |
受信系の開発について、既有の固体検出素子(InGaAs APD:以降APD)を用いた受信実験を行ったところ、受信信号の信号対雑音比(以降SN比)はAPDではなく前置増幅器で決まっていることがわかった。このため、より低雑音の前置増幅器について調査を行ったが、十分に低雑音の前置増幅器は存在しない事が判明した。受信信号のSN比を向上させるためには、より低雑音の前置増幅器を開発する他に、利得の高い検出器を使用する方法がある。このための調査を行ったところ、既存のAPDの10^4倍程度の利得を持つ検出器が開発されつつあることがわかった。この検出器は、光子1個を8〜20%の確率で検出することが可能で、これをDIAL受信部に応用することにより、1.57μm帯で固体検出器を使って光子計数法での測定を行える可能性がある。これは、この波長帯での検出感度を飛躍的に向上させ、DIAL受信技術のブレークスルーとなりうる。本年度は、この検出器を入手するとともに、検出器を使用した受信系についての光学設計や受信系の準備を行った。 送信系の開発について、高い波長安定性を維持したまま送信用レーザーの高出力化をはかるため、先行研究で開発した光パラメトリック発振器(Optical Parametric Oscillator:以降OPO)に関して高出力に適した発振用結晶の調査を行い、5mm角のPPMgSLT結晶が入手可能であることがわかった。しかし、現段階では納期、コストの面から購入を見送った。精密波長同調技術に関して、従来の空間配置ではなく光ファイバー型のCO_2セルを購入し、シーダの長時間波長安定動作を確認した。また、OPO励起用のLD励起YAGレーザーに関して、より安定度と効率の高いLD励起モジュールを購入し、出力特性、ドーム品質などを評価した。
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