2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホイッスラーモード相対論加速による放射線帯形成過程の研究
Project/Area Number |
20340135
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大村 善治 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (50177002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 禎也 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (50243051)
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Keywords | 非線形波動粒子相互作 / 放射線帯 / ホイッスラーモード波 / 電磁イオンサイクロトロン波 / 相対論効果 / シミュレーション / 国際情報交換 / カナダ:アメリカ:チェコ:フランス |
Research Abstract |
放射線帯電子の時間変動について解析するために、大規模な電磁粒子シミュレーションを実行し、ホイッスラーモード・コーラス放射は、磁気圏の高エネルギー粒子との電子サイクロトロン共鳴によりピッチ各散乱を受けて、極めて有効に電子が極域に降下してオーロラを光らせていることが判明した。特に、コーラス放射の周波数変動により共鳴速度が大幅に変化するため、非常に幅広いエネルギーとピッチ角範囲の高エネルギー電子とサイクロトロン共鳴が起こり、周波数の上昇と共に異なるエネルギーの電子との非線形相互作用し、大部分の電子はピッチ角が下がりエネルギーを失う方向に散乱を受ける。これらの粒子の一部は極域に降下するロスコーンに入って、極域大気の中に失われることが分かった。これにより、従来の観測で極域におけるマイクロバーストと呼ばれていた粒子の降下現象が、コーラス放射の一つ一つの放射エレメントに対応していることを解明することができた。一方、新しい研究の展開として、クラスター衛星群のプラズマ波動観測データの解析からホイッスラーモード・コーラス放射によって電子が加速されているのと同じ放射線帯の領域において、低周波イオンモードの電磁イオンサイクロトロン波が、プロトンとの相互作用を通じて、コーラス放射と同じ非線形波動粒子相互作用により励起されていることを発見した。この励起に関わる非線形物理過程の理論を構築し、それにより観測されている周波数変動が説明できることを示した。この数ヘルツの低周波の波動は放射線帯の相対論的なエネルギーの電子とも相互作用して、相対論的電子のエネルギーを奪い極域大気への電子を効果させることができると考えられており、今後、ハイブリッドコード等のシミュレーションを通じて深い解析をしてゆくことが求められる。
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[Journal Article] Cluster observations of EMIC triggered emissions in association with Pc1 waves near Earth's plasmapause2010
Author(s)
J.S.Pickett, B.Grison, Y.Omura, M.J.Engebretson, I.Dandouras, A.Masson, M.L.Adrian, O.Santolik, P.M.E.Decreau, N.Cornilleau-Wehrlin, D.Constantinescu
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Journal Title
Geophysical Research Letters
Volume: 37,L09104
Pages: doi:10.1029/2010GL042648
Peer Reviewed
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[Presentation] かぐやLRS/WFCで観測された月ウェイク境界領域の電子密度分布の非対称性2009
Author(s)
笠原禎也, 室晶彦, 後藤由貴, 西野真木, 橋本弘藏, 大村善治, 熊本篤志, 小野高幸, 綱川秀夫, LRS開発チーム, かぐやMAP-LMAG班
Organizer
第126回 地球電磁気・地球惑星圏学会 総会・講演会(2009年 秋学会)
Place of Presentation
金沢大学
Year and Date
2009-09-28
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