2010 Fiscal Year Annual Research Report
海跡湖に記録された小氷期以降の汎世界的な環境変動と人為的環境変化
Project/Area Number |
20340138
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
瀬戸 浩二 島根大学, 汽水域研究センター, 准教授 (60252897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 高晴 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (90196246)
田中 里志 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00252536)
野村 律夫 島根大学, 教育学部, 教授 (30144687)
入月 俊明 島根大学, 総合理工学部, 准教授 (60262937)
三瓶 良和 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00226086)
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Keywords | 海跡湖 / 汎世界的な環境変動 / 人為的環境変化 / 中海 / 能取湖 / 藻琴湖 / 濤沸湖 / 古環境変化 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,主要な海跡湖群において小氷期以降の汎世界的な気候変動に起因する古環境変動及び人為改変に起因する古環境変化を明らかにし,それらを識別した上で,個々の湖沼に対して人為改変がないと仮定した時の現在の湖沼環境を推定することである. 中海において,7月に2m押し込み式ピストンコアラーを用いて1本のコアリングを行った.これにより1840年の飯梨川の流路変更イベントを確認し,さらにその後に洪水堆積物が確認された.これらのイベントは少なくとも3km先まで詳細に追跡することができた. 8月に能取湖において3本の精密なコアを潜水押し込み式ピストンコアラーを用いて採取した.コアリングは湖口側と奥側の最深部で採集した.能取湖は湖口を1974年に開削しており,開削前からその後の変化が記録されていた.湖口開削による環境変化は,サロマ湖の変化と同様で,開削直後はアマモなどの水草が繁茂し,その後プランクトン起源の有機物に富むようになったようだ.また,網走湖において,4m空気圧入式ピストンコアラーを用いてコアリングを行った.このコアからは,1739年と1694年の火山灰層が見られた.網走湖は,1930年代に海水が浸入し,淡水湖から汽水湖となったことが水質観測から明らかになっていたが,このコアの解析によりそれ以前から富栄養の汽水環境であり,むしろ淡水環境は一時的であったことが明らかとなった. 9月には,地質学会にてトピックセッション「河口~内湾域における歴史時代の汎世界的な環境変動と人為的環境変化」,1月には汽水域研究会でスペシャルセッションを開催し,それぞれの研究成果の発表を行った.
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Research Products
(49 results)
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[Journal Article] Preliminary report on the Seasonal variations of 228Ra/226Ra ratios in the enclosed area of brackish Lake Nakaumi, southwest Japan2010
Author(s)
Nomura, R., Nakamura, K., Tsujimoto, A., Seto, K., Inoue, M.Kofuji, H.
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Journal Title
Radionuclides and its Application to Earth and Environmental Sciences
Pages: 171-177
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