2008 Fiscal Year Annual Research Report
複合流ベッドフォームダイアグラムの作成:堆積構造の新たな統一的解釈に向けて
Project/Area Number |
20340141
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
横川 美和 Osaka Institute of Technology, 情報科学部, 准教授 (30240188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 智寛 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (90400647)
高川 智博 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30451785)
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Keywords | 複合流 / 水路実験 / ベッドフォーム / PIV / 複合流リップル |
Research Abstract |
複合流は浅海環境で普遍的に作用する営力であるにも関わらず,複合流によるベッドフォームの形成条件・堆積構造についての研究はごく限られている.そこで,本研究では次の3点を主な目的とする.(1)これまでに実験が行なわれていない複合流(特に周期2〜8秒)によって形成される複合流ベッドフォームの安定領域ダイアグラムを作成し,これまでに得られているベッドフォーム安定領域ダイアグラムと統合する.(2)複合流ベッドフォームの形態的特徴や堆積構造を詳細に記載する.またそれらの形態的特徴を,現世堆積物の形態あるいは地層中の堆積構造へ適用可能な数値指標として表現する事を目指す.(3)複合流ベッドフォームが形成されている時の砂床付近の流体場を観察し,そのモデル化を目指す.本年度の主な成果は以下の通りである.(1)来年度からの実験に向けてイリノイ大学の閉鎖式大型造波水槽を見学し,海外研究協力者であるイリノイ大学水理実験所のGarcia教授ならびにイリノイ大学理学部地質学科のBest教授らと実験テーマについての詳細な打ち合わせを行った.(2)同志社大学工学部に設置の造波機付き小型循環水路を用いた実験を行い,高速カメラによって砂床付近の流体と砂の動きを撮影し,PIV等によって流速分布の時間的変化を解析した.その結果,砂床付近で形成される渦の大きさや移流距離,上位の水塊の流速分布との関係について,流れが卓越する複合流に際立った特徴が見られる事がわかった.この特徴はこれまでに考案されている数値モデルでは記述されていないものである事も明らかになった.(3)静岡県浜松市の馬込川河口域において,実際の複合流(河川流+潮流+波浪)とそれによって形成されたベッドフォームの形態の現地観測を行い,実験結果との比較等を行った.
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