2009 Fiscal Year Annual Research Report
複合流ベッドフォームダイアグラムの作成:堆積構造の新たな統一的解釈に向けて
Project/Area Number |
20340141
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
横川 美和 Osaka Institute of Technology, 情報科学部, 准教授 (30240188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 智寛 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (90400647)
高川 智博 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30451785)
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Keywords | 複合流 / 水路実験 / ベッドフォーム / PIV / 複合流リップル / 渦度 |
Research Abstract |
本年度の主な成果は以下の通りである.(1)同志社大学工学部の造波機付き小型循環水路を用いて周期が短い(1~2秒)複合流の鉛直方向の速度分布をADVによって求め,他の実験と流速を直接比較ができるように換算法を作成した.(2)イリノイ大学の閉鎖式大型造波水槽(テストセクションの長さ15m,幅0.8m,高さ1.2m)を用いて周期6秒および4秒の複合流ベッドフォーム形成の実験を行った.これらの周期の複合流ベッドフォームの実験は世界初である.実験は中央粒径0.25mmの石英砂を0.6mの高さまで敷き詰めて(水深0.6m)行った.実験時間の制約から,予備実験の結果に基づいて,一方向流成分の変化の効果が最も現れやすく平衡状態に達するまでの時間が極端に長くならない振動流速(25cm/sec)を選び,振動流速を固定して一方向流速を0~40cm/secの間で変化させ,形成されるベッドフォームの形態や堆積構造,それらの形成過程ならびに流速分布などを測定した,それらをこれまでに行われている実験とも比較し,以下の結果を得た.(1)どの周期においても,同じ種類のベッドフォームが形成される.すなわち,Symmetric Small Ripples(SSR), Asymmetric Small Ripples(ASR),Asymmetric Large Ripples(ALR),Dune-like ALRである(2)ただし,これらの境界,すなわち一方向流がベッドフォームの形態に影響を与え始める流速は周期によって異なる.周期が長くなるほど,小さな一方向流速でもその影響が表れる事がわかった.(3)昨年度PIVによって流速分布の時間的変化を求めた周期の短い複合流リップルの高速カメラ画像について,さらに渦度の分布の時間的変化を求めた.その結果,砂床付近で形成される渦の大きさや移流距離を定量的に表現することができた.
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