2008 Fiscal Year Annual Research Report
極微小領域ジルコン年代測定法の開発と変成岩ダイナミクスへの応用
Project/Area Number |
20340151
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 桂 Okayama University, 地球物質科学研究センター, 准教授 (20325129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻森 樹 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (00436833)
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Keywords | ジルコン / 二次イオン質量分析計 / DUOレンズ / エクロジャイト / 自動研磨装置 / 円形岩石薄片 / 標準試料 / クリーンルーム |
Research Abstract |
本年度は研究計画の初年度であり、基礎的な極微小領域ジルコン年代測定法の開発に主眼を置くとともに、円形薄片自動研磨装置の導入を実施した。平成19年度末に導入されたDUOレンズシステムの運用を開始し、その結果目標の3.0・Aの最大一次イオンビーム強度を達成することができた。その結果、分析一次イオン強度10nAにおいて、分析後のクレーター長径〜8・m、短径〜5・mの範囲における年代測定可能とした。この測定技術をエクロジャイト相変成岩中の微小ジルコン(〜50・m)に適用し、同ジルコン中の6点の分析点より年代を決定することができた。このことは、翌年度以降の応用研究において基盤となる年代測定技術が十分に確立したことを意味している。現在、年代測定の自動化・高効率化を目指したルーチンの開発に取り組んでいる。また円形薄片自動研磨装置として丸本ストルアス社製RotoPo1-35およびPdM-Force-20を導入し、これを用いた円形薄片研磨システムに用いる治具の設計・発注を実施した。当該システムの稼働によって翌年度以降の研究推進に向けた研究試料作成が順調に進むと期待している。ジルコン年代測定において、標準試料の準備は最も重要な要素の一つであり、本年度研究実施において宝石グレードのジルコン結晶の入手を進めた結果、ロシア産の巨大ジルコン結晶を入手することができた。本ジルコンは地球化学クリーンルームにおいて鉛同位体組成及びPb/U比を精密に決定する準備を進めている。 平成20年度において上記研究成果を上げることができ、研究計画は順調に達成されていると考えている。平成21年度より具体的な変成岩試料の解析を推進し、変成岩ダイナミクスの理解に向けて年代学・地球化学的手法を組み合わせた総合的研究を展開する体制は十分に構築することができたといえよう。
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Research Products
(5 results)