2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド複合体アンビルによる鉄合金融体の超高圧下粘性測定法の開発
Project/Area Number |
20340154
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
舟越 賢一 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門・極限構造チーム, 副主幹研究員 (30344394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下埜 勝 龍谷大学, 理工学部, 実験講師 (30319496)
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Keywords | 高圧 / ダイヤモンド / アンビル / 放射光 / SiC / 粘性 / 鉄 / 融体 |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者らが開発、実用化を進めているダイヤモンド-SiC複合体アンビルを使って、これまで到達できなかった超高圧条件(30GPa以上)で、これまで測定不可能であった鉄-軽元素系融体の粘性測定法を確立することを目的とする。本年度は大型サイズのダイヤモンド-SiC複合体アンビル作成のための技術開発を行い、放射光を使って性能を評価した。またアルミナコーティング用スパッタ装置を立ち上げ、粘性実験のための予備実験も行った。 1.大型アンビル作成技術の開発 一辺26mm角立方体の大型アンビル作成のため、合成条件の最適化を行った。これまではHIP装置処理の際に割れることが多かったが、SEM分析を行った結果、酸素が十分に抜けていないことがわかった。このため、チタンを反応カプセル中に入れて合成した結果、酸素はほとんど取り除かれ、さらにHIP処理後も割れずにアンビルを作成することができた。また、作成された26mm角立方体アンビルを使ってSPring-8で高圧発生試験を行った。実験試料にNaClとMgOの混合粉末を用いて圧力を測定したところ、同サイズの超鋼アンビルでは到達できない32GPaの超高圧力発生に成功した。 2.チアルミナコーティング技術の開発 回転ステージ付きスパッタ装置を立ち上げ、真空度、RFパワー、窒素ガス流量、回転ステージ速度の条件を最適化することにより、アルミナをレニウム球体表面に数Åの厚さでコーティングすることに成功した。さらにコーティング球を鉄融体中に入れて高温高圧実験を行った結果、これまで不可能であった2000℃、15GPaの高温高圧条件下においても融体と反応せずに保持することができた。
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