2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロン領域同位体分析法の開発から展開する銅の安定同位体地球化学
Project/Area Number |
20340156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野津 憲治 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (80101103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 岳史 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10251612)
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Keywords | プラズマイオン源質量分析法 / 微小領域同位体分析 / Cu同位体組成 / 同位体高精度分析 / 紫外線フェムト秒レーザー / レーザーアブレーション / イオン化効率 / 重元素安定同位体地球化学 |
Research Abstract |
フェムト秒レーザーを用いることにより、Cu試料など金属試料の化学組成・同位体組成分析の信頼性が飛躍的に向上する。本研究では、従来のチタンサファイヤ・フェムト秒レーザー(Ti:Sレーザー)を短波長化することにより、同位体分析のさらなる高精度化と分析空間分解能の向上を目指す。本年度は、Ti:Sレーザー光学系に3倍高調波変換器を導入し、従来の近赤外(波長780nm)から紫外光(波長260nm)に変換するとともに、高エネルギー紫外線レーザー光による光学系部品の劣化を低減する改造を行った。レーザー波長を紫外線化することにより、試料の掘削速度(サンプリング速度)の制御性が向上し、また、レーザービーム径を従来の20ミクロンから15ミクロン程度まで小さくすることができた。本年度開発した紫外線ブェムト秒レーザーの基本性能を評価するために、レーザーアブレーションにより生成される試料エアロゾルのサイズ分布を調べたところ、赤外線では80-150nmのエアロゾルが生成されるのに対し、紫外線では80nm以上のエアロゾルは殆ど生成されないことがわかった。エアロゾルの粒径が100nmを超えると、試料によっては質量分析計内で完全にイオン化されない可能性があるため、レーザーアブレーションの段階で、粒径の大きなエアロゾルが生成されないことは非常に意味が木きい。粒径の小さなエアロゾルを安定して生成できることから、イオン化効率のさらなる向上が期待できるため、分析領域を絞り込んでも、従来と同等の分析感度が期待できる。来年度は、ここで開発した紫外線フェムト秒レーザーアブレーション装置をプラズマイオン源質量分析計に応用し、分析条件の最適化を図るとともに、実試料の同位体分析を進めていく。
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Research Products
(17 results)