2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロン領域同位体分析法の開発から展開する銅の安定同位体地球化学
Project/Area Number |
20340156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野津 憲治 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (80101103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 岳史 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10251612)
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Keywords | 銅同位体 / ICP質量分析 / 質量差別効果 / 鉱物一粒子分析 / 物質循環モデル / 短パルス紫外線レーザー / 非古典的安定同位体地球化学 / 微小領域分析 |
Research Abstract |
質量分析計の進歩により、これまで検出できなかったわずかな同位体組成変動を正確にとらえることが可能となり,試料から全く新しい地球化学的知見を引き出すことができるようになった.本研究の目的は,天然に普遍的に存在しているCuの同位体比を先端的な分析手法を開発し,微小鉱物一粒子毎の正確なCu同位体データに基づき,固体地球における新しい物質循環に関する議論を展開することにある.この研究目的のために,短パルス紫外線レーザー(Ti:Sフェムト秒レーザー)を用いた局所銅同位体分析法の開発を進めてきた.本年度は,分析性能の向上(レーザービーム径の絞り込みと深さ方向の分析空間分解能の改善)をはかるとともに,分析装置としての性能の安定化(長時間にわたって分析性能を維持できる分析システムの構築)を進めた.レーザー光の収束光学系を変更し,焦点面に光学レンズを配置しない光学系をとることで長時間分析での性能劣化を最小限に抑えることが可能となった.本年度開発した分析装置を使って銅の同位体分析を行ったが,世界標準物質が少ないことから銅だけでは同位体データのトレーサビリティを保証することが難しいことも明らかとなった.この問題を解決するために、本年度は銅同位体分析にくわえ,同位体標準物質が市販されており,また銅と同様な地球化学的性質をもつ鉄に対しても局所同位体分析を行い,基礎同位体分析データの蓄積を進めた.その結果,銅と鉄のいずれも局所同位体分析結果と文献値がよい一致を示し,分析法としての信頼性を実証することができた.ただし,本年度の分析は銅・鉄の同位体標準物質が中心となったものであり,分析性能の客観的評価には不十分である。このため,自然物質からの同位体データの取得に関しては,実験計画最終年度も銅同位体データベース構築と並行して継続することとした.
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] The Ediacaran radiogenic Sr isotope excursion in the Doushantuo Formation in the Three Gorges area, South China2010
Author(s)
Y.Sawaki, T.Ohno, M.Tahata, T.Komiya, T.Hirata, S.Maruyama, B.F. Windley, J.Hand, D.Shu, Y.Li
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Journal Title
Precambrian Research 176
Pages: 46-64
Peer Reviewed
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[Journal Article] Grain-scale Iron isotopic distribution of pyrite from Precambrian shallow marine carbonate revealed by femtosecond laser ablation multi-collector ICP-MS technique : Potential proxy for the redox state of ancient seawater2010
Author(s)
M.Nishizawa, H.Yamamoto, Y.Ueno, S.Tsuruoka, T.Shibuya, Y.Sawaki, S.Yamamoto, Y.Kon, K.Kitajima, T.Komiya, S.Maruyama, T.Hirata
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Journal Title
Geochimica et Cosmochimica Acta 74
Pages: 2760-2778
Peer Reviewed
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