2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオポリマー材料の低温プラズマプロセス技術の開発
Project/Area Number |
20340161
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
永津 雅章 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 教授 (20155948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 明久 静岡大学, 創造科学技術大学院, 助教 (90377721)
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Keywords | プラズマ / 低温プロセス / ポリマー材料 / バイオ材料 / 化学修飾 / プラズマ滅菌 / 真空紫外線 / アミノ酸 |
Research Abstract |
昨年度の研究成果を踏まえて、低気圧放電プラズマを用いたポリマー材料の化学修飾実験、ポリマー表面のアミノ基修飾によるヘパリンの固定化実験、および枯草菌の滅菌メカニズムの解明に関する研究を実施した。以下に、平成21年度の実施項目を列記する。 (1)プラズマ化学修飾によるポリマー表面の官能基修飾:ポリマー表面のアミノ基修飾率におけるイオン衝撃による効果およびプラズマ照射時間依存性を調べた。さらにポリマー表面への官能基修飾の効果、表面粗さの効果によりポリマーと金属薄膜の密着性が向上することを明らかにした。 (2)プラズマ修飾によるポリマー表面へのヘパリンの固定化:ポリマー表面へのヘパリン固定化による抗血液凝固特性の改善を目的として研究を実施した。アミノ基修飾率に比例してヘパリンの固定化量が増加することを明らかにした。また、血液凝固特性の測定の結果、通常のポリマー表面では7分程度で血液凝固するのに対して、ヘパリン固定化により28時間以上でも凝固しないことを確認した。 (3)微生物細胞とプラズマとの表面相互作用および不活化メカニズムの解明:低圧放電による芽胞菌のプラズマ不活化の関係を調べるため、四重極質量分析器を用いて実験を行った。酸素プラズマ照射により二酸化炭素などの副産物が増加することから、酸素ラジカルにより菌細胞壁がエッチングされ、コア部の損傷により死滅したものと考えられる。 (4)プラズマ処理によるペプチドなどの分子操作:構造の簡単なアミノ酸やペプチドを用いた低圧力プラズマ照射実験を行った。高エネルギーイオン衝撃などの物理的反応や酸素ラジカルなどの化学的反応によるペプチド結合の分離やアミノ酸の分解を確認しており、今後は、そのメカニズムを調べる予定である。 (5)上記研究で得られた成果は、学術論文に14編、国際会議に13件、国内学会に33件、発表を行った。
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