2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340164
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
川崎 仁晴 Sasebo National College of Technology, 電気電子工学科, 教授 (10253494)
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Keywords | 3相交流磁界 / ハードコーティング / スパッタリング / プラズマプロセス / 摩擦係数 / 耐摩耗 |
Research Abstract |
本研究は磁界によるプラズマの制御をスパッタリング法に応用し、コーティング対象である円筒形棒(管)外壁に均一・高速かつ密着性良くの機能性薄膜を形成する技術を開発する事を目的としている。具体的には、スパッタリング用のターゲットを筒状に加工し、それをコーティング対象の周りを覆うように設置する。反応容器外部にソレノイド型の外部コイルを設け、容器の長軸方向に磁界を発生させる。これによって細管内に発生する磁界を制御し、時間空間的に均一な薄膜を作製する。昨年度までに、実験装置を完成させ予備的ではあるが、炭素鉄鋼の外壁へのコーティングを行った。本年度は、コーティング材料の種類などを変えてより摩擦係数を減少させた。具体的には以下の通り。 1.三相交流磁界を用いて成膜実験を行い、その均一度を調べた。その結果三相交流磁界の場合は、同じ条件で作製した単相次回の場合に比べて、50cmの円筒棒状基板の中央部分がやや厚く、端部分がやや薄い膜厚分布であり、その不均一度は0.37と大きかった。この値は磁界のない場合より良いが交流磁界を用いた場合(0.22)よりも悪い数値となった。 2.炭素鋼の金属円筒棒外部に成膜を行い、その膜質を調べた。XPSによる分析の結果、タングステン、炭素、銅に関しては、ほぼ純粋な薄膜が作製されていたが、チタンの薄膜に関してはTiO_2の幕が形成されていた。また、XRDの分析結果から、室温で成膜したにもかかわらず全ての材料で結晶性が見られた。 3.成膜した炭素棒の摩擦係数は、すべての薄膜に対して成膜後の方が成膜前に比べて0.03~0.2程度低くなり、かつ摩耗量もTiO_2の場合半分以下になることがわかった。 TiO_2の薄膜の場合、親水性が20度近くにまで向上することがわかった。
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