2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350003
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
尾関 寿美男 Shinshu University, 理学部, 教授 (60152493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯山 拓 信州大学, 理学部, 准教授 (30313828)
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Keywords | 磁気処理 / 磁化水 / 磁場 / 溶存酸素 / 粘度 / 記憶効果 |
Research Abstract |
「水の磁気処理効果」に対して,科学的観点から厳密に雰囲気と条件を制御して,磁束変化に伴う水の構造と物性の変化を検証した。新規購入した遠隔測定用ファイバーラマン装置によって水を磁気処理しながらラマンスペクトルをその場測定した。真空脱気された蒸留水のラマンスペクトルは磁気処理によって変化しなかったが,酸素を溶存した蒸留水は磁気処理によって水由来の進藤バンドが大きく変化した。接触角の変化した磁気処理水は粘度も低下し,よい相関を示した。この変化は,添加物の水構造への効果とよい相関を示した。また,磁気処理効果は1時間以上保持され,記憶効果を示した。これらの結果は,水の磁気処理変化は水の構造変化を伴うものであることを示唆している。これまでの赤外吸収スペクトル変化に矛盾しない結果となった。また,1msのパルス磁場の繰り返し照射によっても磁気処理効果が観測された。 一方,静磁場下の純水や塩水溶液の熱分析をin-situ DSCで行ったところ,磁場下で凍結した共晶の融点がわずかにシフトすることが確認された。 以上の結果から,水は磁場と相互作用して構造や物性を変化させ,その程度は静的磁場よりも動的磁場中の方が顕著であることがわかった。
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