2009 Fiscal Year Annual Research Report
表面分光法による配向・配列分子ビーム誘起の表面反応立体ダイナミクスのプローブ
Project/Area Number |
20350005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 美智雄 Osaka University, 科学教育機器リノベーションセンター, 教授 (30281116)
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Keywords | 表面界面物性 / 原子・分子 / 超薄膜 / ナノ材料 |
Research Abstract |
入射分子のもつ並進エネルギーや内部状態といった初期条件が、固体表面でどのように維持伝達され、表面化学反応に至るのかという量子レベルでの分子情報伝達の解明を目指して、研究を推進している。本課題では、特に表面に入射する分子の配向や配列に着目して、引き続き起こる表面化学反応への効果を調べている。本年度は以下の3研究項目を行った。1.アセトニトリル分子(CH_3CN)では、King-Wells法により付着確率をうまく測定できないことがわかった。これは、CH_3CNと真空槽壁面との相互作用が強いためである。そこで、表面散乱測定法を導入する準備を行い、塩化メチル分子(CH_3Cl)がシリコン(Si)やグラファイト(HOPG)表面から散乱される様子を調べた。今後、CH_3CN分子に誘起される表面化学反応における分子配向効果の観察へと発展させる最初のステップが達成できたと考えている。2.現有している金属表面研究のための反射赤外吸収分光装置の調整を行った。金属表面で分子配向効果測定が可能な安定度まで調整できたので、今後は配向分子線源と接続して分子配向効果の観察を試みる。本年度の研究により、Si表面研究のために現有装置をさらに改良して、多重反射赤外吸収測定を行える目処が立った。3.表面に入射する分子の配列選択用の高分解能速度選別器を備えた連続分子ビーム源を作製した。高分解能速度選別により分子の回転運動の回転軸が表面に平行な車輪型か垂直なヘリコプター型か制御できる。本年度は、パルスノズル分子線では制御性が十分でないことが判明したので、連続分子線源をもとにした新しい高輝度の配列分子線源の設計・製作を行った。以上の3項目の研究により今後の研究を展開する上でのステップは、やや計画が遅れ気味であるがクリアできたと考えている。
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[Journal Article]2010
Author(s)
岡田美智雄
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Journal Title
"Fabrication of Cu Oxides on Single Crystal Cu Surfaces using Hyperthermal O_2 Molecular Beams", in Metal Oxide Nanostructures and Their Applications(Eds.Ahamd Umar and Yoon-Bong Hahn)(American Scientific Publishers)
Pages: 205-237
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