2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大山 浩 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (60192522)
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Keywords | 配向 / 立体ダイナミクス / 燃焼 / ラジカル / 回転相関 |
Research Abstract |
本研究では、燃焼反応で重要なCHラジカルなどの関与する反応一分子において、2つの反応分子の配向を含む量子状態の組み合わせに依存した立体ダイナミクスの多次元的側面の検証という新たな研究領域への立体ダイナミクス研究の展開を目的とした。 高密度配向CH分子線の発生に成功し、CH+O_2燃焼反応において、反応性およびその衝突エネルギー依存性がCHの回転量子状態に著しく依存することを見出した。特に、CHとO_2の回転量子状態の特別な組み合わせにおいて(特に小さいJの組み合わせで)反応性が著しく増加する特異な現象(反応の回転相関)を見出した。CH+O_2反応では、CHの回転面とO_2の回転面が直交する組み合わせで、CHとO_2の特定の回転量子状態の組み合わせが遷移状態での反応座標と相関し、反応を支配していることを提唱した。この研究により、従来原因が不明であったラジカル反応でしばしば見出されている低温領域での反応速度定数の増加を分子論的に解明できた。 また、燃焼過程で重要である分子-分子間のエネルギー移動過程の研究と関連して、CO(a^3Π)+NOのエネルギー移動反応の研究を行った。生成物NO(A^3Σ^+),NO(B^2Π)への反応分岐がCO(a^3Π,Ω)のΩ依存性を示すことを提唱した。また、CO(a^3Π)の側方衝突で優勢な顕著な立体効果を見出した。この立体選択性は、関連するCO(a^3Π)の分子軌道とNOの分子軌道の重なりの分子配向の組み合わせ依存性で説明でき、このエネルギー移動過程が電子交換反応であることを明らかにしな。
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