2009 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線内殻分光による分子間相互作用系の局所電子構造研究
Project/Area Number |
20350014
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
小杉 信博 Institute for Molecular Science, 光分子科学研究領域, 教授 (20153546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁政 英治 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 准教授 (90226118)
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Keywords | 内殻励起状態 / 分子間相互作用 / 軟X線吸収スペクトル / 電荷移動状態 / クラスター / 光電子スペクトル / イオン化ポテンシャル / 交換相互作用 |
Research Abstract |
軟X線に対する透過吸収分光用の液体セルの開発をしてきたが、窓が破れるなどの諸問題があった。流量制御の機構を再検討して、ようやく定常的に測定ができるようになった。透過吸収以外の測定結果と比較したところ、軟X線に高次光が混入していることが判明し、高次光の混入度の評価と測定データから除去する方法の検討を進め、信頼性あるデータが測定できるようになった。液体セル開発についての論文をまとめ、発表した(出版は次年度)。 クリプトン、キセノンのクラスターを生成し、軟X線吸収、軟X線光電子分光の研究を行った。Rydberg電子が持つ周辺原子との交換相互作用を抽出した。交換相互作用は短距離力なので最近接の原子の数や局所構造が明らかにできた。クラスターの構造を知ることけ非常に難しいが、本研究で確立させた方法が有用であることを示すことができた。さらに混合系のクラスターを生成し、その構造を研究した。クラスターの原子総数を50個前後に固定して、クリプトン100%から順番にキセノンの比率を高めていくと、キセノンが島状に表面に付いていき、その島が一体化し、その後、完全に層分離する様子が追跡できた。また、酸素分子とアルゴンの混合系の光電子スペクトルを測定したところ、新たなピークが出現した。現在、解析を行っている。 電場下のペンタセン誘導体薄膜層の表面及びバルクの軟X線吸収スペクトルの測定に成功した。さらに配向構造を偏光スペクトルに基づき議論した。また、フェロセン誘導体にホールをドープのた系の軟X線吸収スペクトルの測定に成功し、弱い相互作用由来の擬縮重状態による内殻励起の分裂現象を解明した。
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Research Products
(4 results)