2008 Fiscal Year Annual Research Report
金及びパラジウム触媒の配位子操作による反応性・選択性の飛躍的向上
Project/Area Number |
20350015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 嘉則 Tohoku University, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (60029519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 鉄男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (80431493)
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Keywords | パラジウム触媒 / 不斉ヒドロアミノ化 / カチオン性金触媒 / アルキン / アレン / 不斉配位子 |
Research Abstract |
(1)新しい不斉配位子(L^*)のデザインと合成とヒドロアミノ化反応への応用。最近当研究室では、アルキンへの分子内不斉ヒドロアミノ化反応のキラル配位子の検討により、RENORPHOS不斉配位子を用いると高収率、エナンチオ選択的に反応が進行することを明らかにしたが、本反応では配位子触媒の高いローディングが必要としている。パラジウム触媒を用いる不斉ヒドロアミノ化反応の反応性と選択性の飛躍的な向上を目的として、本研究では新しい触媒系の検討を行いRENORPHOS類縁体を新たに合成し、配位子操作により触媒の低いローディングで高い不斉収率が得られる配位子探索を行った。例えば、RENORPHOSとNORPHOS配位子に電子供用基と電子吸引基の導入、またNorbornane環上に置換基を導入することによって様々な不斉配位子の合成に成功した。不斉配位子の合成は数段階を必要とし、各段階での精製、ラセミ体からキラル化合物への分離精製より合成されている。得られた種々の不斉配位子の分子内アルキンのヒドロアミノ化へ応用した結果、(R, R)-Methyl Norphosおよび(R,R)-TolylRenorphos配位子触媒の低いローディングで高収率、エナンチオ選択で反応が進行していることを見いだした。(2)アレンへのヒドロアルコキシ化反応の金触媒(LnAuX)の探索。当研究室では、すでに金触媒(AuBr_3)を用いることによりアレンのヒドロアミノ化反応の開発に成功している。平成20年度の成果として、我々は、金触媒(AuXLn)の対アニオンXの検討により極めてソフトでπ配位性の高い金触媒種AuOTfPPh_3の存在下、分子間アレンのヒドロアルコキシ化反応が効率的に進行していることを見いだした。さらに、不斉転写反応の結果から、本反応はアレンのヒドロアミノ化反応と異なる反応機構で進行していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)