2009 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-水素および炭素-ヘテロ原子結合活性化による新規有機合成手法の開発
Project/Area Number |
20350019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松原 誠二郎 Kyoto University, 大学院・工学研究科, 教授 (90190496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉橋 拓也 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50432365)
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Keywords | C-H結合活性 / C-N給合活性 / カルボアミノヒ / カルボエーテル化 / 複素環化合物 / ニッケル / メタラサイクル / 脱カルボニル |
Research Abstract |
炭素-ヘテロ原子結合を切断した後に不飽和結合を挿入するカルボヘテロアトム化反応は,新たに炭素-ヘテロ原子結合と炭素-炭素結合を同時に形成することができるため原子効率の優れた反応である。次世代の有機合成反応として非常に魅力的であるため国内外で精力的に研究されているが,これまでの報告例は合成が簡単ではない小員環の大きな歪みエネルギー解放を利用した環拡大反応に限られていたため,汎用性に乏しかった。一方,本研究室では,入手容易なカルボニル化合物の遷移金属触媒への酸化的付加と脱カルボニルを鍵反応に用いる事により,炭素-ヘテロ原子結合の酸化的付加体等価体が反応系中で調製できる事に着目し,これを不飽和化合物のカルボヘテロアトム化反応に用いる事により,複素環化合物の新規合成法を開発した。ニッケルなどの低原子価遷移金属触媒を用いることで,フタルイミドの炭素-窒素結合を活性化してアルキンと反応させるカルボアミノ化反応により,医薬品合成中間体として有用なイソキノロン誘導体やイソキノリン,イソクマリン,チオフェン,インドールの合成を可能にし,効率的に合成できる事を見いだした。本反応は,きわめて入手の容易なアミド化合物と不飽和化合物を組み合わせることによって,別法では合成が簡単ではない多様な構造を有する含窒素複素環化合物を一段階で合成できる。また,ニッケル触媒と塩化亜鉛を共触媒として用いることで,無水フタル酸のアルキンへの脱カルボニルを伴った付加反応が同様に進行する事を見いだした。
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Research Products
(6 results)