2010 Fiscal Year Annual Research Report
プログラムに基づく金属錯体の階層的組織化と機能的化学空間の創製
Project/Area Number |
20350025
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 健太郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40281589)
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Keywords | 金属錯体 / 超分子 / ペプチド / 液晶 / 自己組織化 / ポルフィリン / フタロシアニン / 大環状化合物 |
Research Abstract |
本研究は、金属錯体の自己組織化による階層的な精密集積化を行い、3次元的な分子組織をもとに新しい化学空間を創製することを目的とした。ここで化学空間とは、(1)3次元的な空間配置をあらかじめプログラムし、精密な他種類、多核錯体を機能的な組織を形成すること、(2)金属錯体をモチーフとした階層的分子集積を行い、新しい概念からなる空孔等のナノ空間を組織することをいう。本研究では、金属錯体形成による自己組織化を用い、ディスクリートな大環状金属錯体を形成し、その環状構造のポリメリックな分子集積体によって構築される、一義的な内部空間を持つナノポーラスな液晶の開発を行った。まず、ディスクリートな大環状金属錯体の構築において、可逆的な配位結合形成を利用する方法と、可逆的な共有結合であるサレン形成を利用する方法の二つの方法論を確立することに成功した。前者では、2つのヒドロキシピリドンが互いに60°に配向した配位子を合成し、平面4配位型金属イオンとの配位結合を利用してディスクリートな大環状3核金属錯体を効率良く合成することに成功した。また、これらのサブナノスケールの空孔を持つ大環状金属錯体が基板上でヘキサゴナルに自己集積していることを斜入射X線回折実験や、DSC、偏光顕微鏡観察から明らかとした。これらから、配位子の角度や置換基の配向・性質から事前設計することで、期待通りに熱力学的に安定な環状構造を形成することがわかった。現在、これらの液晶中のナノサイズの空孔を用いた、分子集積・分子認識・化学反応場としての利用を検討している。
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Research Products
(27 results)